・調理スタート
それでは、さっそくこれらのルーを一つの鍋に投入していきたい。といっても、すべてのルーを入れると山小屋の炊き出しみたいな量のシチューが出来上がってしまうので、何等分かされている内の一つを使うなどして調節する。
粉状のルーに関しては完全に目分量だ。
具材はじゃがいも、にんじん、玉ねぎのみ。商品によって水の分量がまったく異なるため、こちらも作りながら目分量で調節していく。20分ほど煮込んだら……
ルーを次々に投入!
自宅でカレーを作る時、複数のルーを混ぜることはよくある。私は同じ商品の中辛と辛口を混ぜたりもしていた。しかしだ。クリームシチューのルーを混ぜるのは、おそらくこれが人生初。それも14種類である。
もしかすると私は、とんでもないクリームシチューを生み出そうとしているのかもしれない。クリームシチュー王……いや、クリームシチュー神の誕生も視野に入れる必要があるだろう。革命を目撃する準備はできているか?
最後に牛乳を適量入れ、かき混ぜることしばし。
さあ、今こそ姿を現すがいい……!
14種のルーによる究極のクリームシチューが……
誰も見たことがない空前絶後の家シチューが……
これだァァァァァァアアア!!!!!!!
…………。
ただのクリームシチューやないかッ!
(広告の後にも続きます)
・想定外
そこにあったのは、信じられないくらい普通のクリームシチューであり、それ以上でも以下でもなかった。給食と言われても何の疑問も持たないだろう。具材が少ないことが、普通さにより拍車をかけている。
いやしかし。思えばカレールーを混ぜた時も見た目はまったくもって普通であった。それがいざ食べてみると、味の深みやコク、スパイシーさなど、あらゆるパラメーターが限界を突破していて驚いたものだ。
あんな複雑かつ重層的な家カレーには、めったにお目にかかれまい。