【ミニシアターランキング】『クラブゼロ』が初登場1位! 12月6日~12月8日の成績を紹介

12月6日から12月8日までのミニシアターランキング(公開30館以下スタートの作品が対象)が興行通信社から発表された。今週は“食”と“洗脳”めぐる異色のスリラー『クラブゼロ』(公開中)が初登場で1位に輝き、先週1位の『俺だけレベルアップな件 -ReAwakening-』(公開中)と2位だった『劇場総集編 幻日のヨハネ-SUNSHINE in the MIRROR-』(公開中)が一つずつ順位を落としたものの大健闘。『アット・ザ・ベンチ』(公開中)も3週連続で5位以内を維持して根強い人気を印象づける結果に。5位に衝撃のドキュメンタリー『どうすればよかったか?』(公開中)がランクインしたことにも注目したい。


【写真を見る】先週に引き続き、人気アニメ『俺レべ』がミニシアターランキングにランクイン! / [c]Solo Leveling Animation Partners
■【ミニシアターランキングトップ5】(12月6日~12月8日)

1位『クラブゼロ』(NEW)

2位『俺だけレベルアップな件 -ReAwakening-』(先週1位↓)

3位『劇場総集編 幻日のヨハネ-SUNSHINE in the MIRROR-』(先週2位↓)

4位『アット・ザ・ベンチ』(先週4位→)

5位『どうすればよかったか?』(NEW)

初登場1位の『クラブゼロ』は、「少食は健康法であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という独自の食事法を提唱する栄養学の教師ノヴァクと、それを実践する生徒たちの運命をブラックな笑いと共に描いた驚愕のスリラー。「アリス・イン・ワンダーランド」シリーズのミカ・ワシコウスカが、優しい眼差しと巧みな話術で子どもたちを魅了していくノヴァクを体現。「食べないこと」に喜びを見出した生徒たちの異様さが静かにじわじわと増幅し、観る者の心をゾワゾワさせる。オーストリアの鬼才、ミヒャエル・ハネケを師事する気鋭監督ジェシカ・ハウスナーが、世の中に溢れかえる食事法や健康食品、サプリに振り回されがちな現代人に一石を投じた問題作だ。


突然変わってしまった姉とその家族をカメラに収めた『どうすればよかったか?』
一方、初登場5位の『どうすればよかったか?』は、誰の身にも起こり得る家族の問題に藤野知明監督がカメラを向けたドキュメンタリーの問題作。医師で研究者でもある両親の影響で医学部に進学した8歳上の姉が、ある日突然、事実とは思えないことを叫びだす。ところが、統合失調症が疑われたにも関わらず、両親はそれを認めず、彼女を精神科の受診から遠ざける。その判断に疑問を感じながらも家を離れた弟の藤野監督は、発症から18年後、帰省する度に家族の姿を記録し始めるが、状況はどんどん悪化。両親はついに玄関に鎖と南京錠をかけ、姉を家の中に閉じ込めてしまう…。病気を認めないことで“家族”の形を維持しようとする両親と、そこに違和感を抱き、カメラを回すことを決意した藤野監督。いったい“どうすること”がベストだったのか?この勇気ある力強いメッセージが、身近な問題を無視できない人たちを中心とした観客の動員につながっているのかもしれない。


驚愕の事件を基に描かれるシングルマザーの奮闘から目が離せない / [c] 2023 SHOWBOX, PAGE ONE FILM AND C-JES STUDIOS ALL RIGHTS RESERVED.
続いて、今週末に公開予定のミニシアター映画をピックアップ!12月13日(金)に衝撃の実話を基に、極悪振り込め詐欺集団に立ち向かうシングルマザーを描いた韓国発のサスペンス『市民捜査官ドッキ』が公開。同日には、実写ドラマや映画も話題になった“チェリまほ”こと、人気TVアニメの特別編集版『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 特別編集版』も登場! 新規録りおろしボイスで振り返るピュアな物語と追加された新たなカットが、多くのファンを再び魅了することになるだろう。


全興連ミニシアター支援プロジェクトでアンバサダーを募集中!
公開規模は小さいものの、映画ファンに愛されて続け話題性の高い良質な映画作品を鑑賞できるミニシアターに足を運んでみてはいかがだろうか。現在、全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」では、応援したい映画館の魅力を紹介してくれる公式アンバサダーを募集中。自身のYouTubeチャンネルやSNSアカウントを通じてミニシアターを紹介し、劇場救済に協力してもらおうという試みとなる。応募条件等詳細は公式アンバサダー募集ページをチェック!

文/イソガイマサト