総合格闘技団体「RISE」のラウンドガールを務め、レースクイーン、モデルなど活躍の場を広げている真木しおりさん。華やかな場で活躍する彼女のもう一つの顔は、なんとトラックドライバー。10トントラックを華麗に操り、地元大阪の街を拠点に駆け巡っています。
そんな唯一無二のキャリアを爆走する真木さんのこれまでとこれからについて伺いました。
はじめてのラウンドガールは中学生。母の後押しで芸能の道へ
──トラックドライバーとラウンドガールやレースクイーンと異色のキャリアを持つ真木さんですが、芸能の仕事をすることになったきっかけは?
保育園のころから人前に立つことが好きで、いつか芸能の仕事をしたいなとは思っていました。ラウンドガールを目指す最初のきっかけは、中学生の時に格闘技好きの両親にすすめられ地元で開催されたキックボクシングの大会でラウンドガールを務めたことですね。
──中学生で!初舞台としてはかなり早かったのではないですか。
そうですね。とはいえ、運営しているスタッフもほかのラウンドガールの子もみんな顔見知りで、地元の体育館でやるような大会でした。でも、その時に「楽しい!」って感じたんです。
その大会の会場に来ていたほかの格闘技の団体の方からお声がけいただき、少しずつラウンドガールをさせていただく機会が増えていきました。次第に、次はもっと大きい舞台に立ちたいと思うようになりましたね。
──ラウンドガールを職業にと決めたのはいつだったんでしょうか?
両親の影響で小学生のころから格闘技が好きでした。「いつか大きな大会のラウンドガールになりたい!」という夢を持っていたのですが、それが叶ったのが19歳の時でした。有名な格闘技の大会でラウンドガールに選んでいただいた時が、本気でこの道でやっていけるかもと思えた瞬間だったかもしれません。
また、現在6年間在籍しているスーパーGTレースの「ARTA」というレースチームのレースクイーンになったのも同じころでした。憧れだった2つの仕事を経験し、自信にもなりましたね。
──格闘技の大会のラウンドガールはどのように選抜されるのでしょうか?
ラウンドガールは基本的にオーディションで選考されるんです。有名な大会なので、ラウンドガールも激戦。それこそ、オーディション会場ではテレビで見ていた先輩ラウンドガールの方々がいらっしゃって……、震え上がりましたね。応募者もすごい数だと分かっていたので、自分なんかが合格できるはずないと諦めていたのですが、ありがたいことに選んでいただけました。
──憧れだったラウンドガールに選ばれて、どんな気持ちでした?
うれしかったのはもちろんなんですが、それよりも「ほんまなんかな?嘘なんじゃないかな?」って(笑)。まずお母さんに電話で合格を伝えたんですけど、その時も信じられていなかったです。「やっぱりなしで」とか言われたらどうしようとか、変なことをいっぱい考えちゃいましたね。
──夢が叶い、信じられないぐらいうれしかったんですね。
そうですね。特にお母さんの喜びようは印象に残っています。両親は私が小さい時から芸能の仕事をしたいという夢をずっと応援してくれていたんです。小学生の時にファッション雑誌のモデルを経験したことがあったのですが、お母さんが私に内緒で応募して決まった仕事で。その後も宣材写真を撮るために写真屋さんに連れて行ってくれたり……、そういうバックアップがあったからこそ大舞台に立てたのかなって。
──リング上からみた光景はいかがでしたか?
始まる前はすごく緊張しました。でも、さいたまスーパーアリーナという経験したことがないぐらい大きい会場で、お客さんの顔が見えないんですよ。だから本番では逆に緊張しなくって(笑)。その舞台に立って、これからもずっとラウンドガールの仕事は続けていきたいと思いましたね。
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「運転うまいね」。父に乗せられて、10トントラックドライバーに
──若くして華やかな舞台を経験しながらも、トラックドライバーとしても活躍されています。トラックドライバーはいつから始めたのでしょうか?
中型免許を取得したのが20歳で、そこからちょくちょく乗るようになりました。実はお父さんが運送会社を経営していて、私もそこでドライバーとしてはたらいているんです。芸能の仕事を優先しながら、時間のある時にトラックに乗っています。今は大型免許を取得したので10トントラックを運転しているんですよ。
──そもそも、トラックドライバーに興味を持ったきっかけは?
保育園のお迎えに両親がトラックで来たりすることもあって、トラックにはよく乗っていました。それが楽しかったんです。高校生の時に普通自動車の免許をとって運転していたらお父さんが「うまいね」って褒めてくれて、じゃあトラックも運転してみるかって。褒められたらその気になっちゃうのかもしれません(笑)。運転は好きで、プライベートでも毎日車には乗っています。
──お父さんのはたらいている姿を見ていつか運転したいと思ったんですね。
いえ、その時は全然思ったりはしなかったです。声をかけてもらったし、両立もできそうだし、なりゆきですね。でも、でっかいトラック運転できたら格好いいじゃないですか。大型トラックの運転席は視点が高く見晴らしがいいので、運転していてすごく気持ちいいですよ。
──運送業者ということは 荷物を運んでいるのですか?
そうですね。トラックで荷物を取引先の企業まで運んで、積み下ろしをして、会社に戻ってくるというのが業務内容です。
──体力的にも大変な仕事だと思うのですが、両立は大変じゃないですか?
芸能の仕事が重なる時期もあって大変ですけど、苦に思ったことはないです。どちらも好きなことだし楽しいですから。
──特にトラックドライバーのどんなところが好きなんでしょうか?
トラックの中って一人だけの空間じゃないですか。何にも縛られていない感じがして好きなんです。トラックドライバーのお仕事をしている方って結構一人が好きな人が多いんですよ。
また、車で出勤しているので、家を早く出て出勤前にパーキングエリアでのんびりした時間を過ごすというのをルーティーンにしています。その時間は好きですね。
──パーキングでは何をして過ごしているんですか?
ぼうっとしたりたまに売店に寄ってみたり、ずっとTikTok見ていたり。何もしないって感じですね(笑)。だけど、時間的にも気持ち的にも余裕を持って仕事をするためにそのルーティンを大事にしています。