超高速光回線サービスで高い認知を獲得している高速光回線サービス「NURO 光」。光回線は大手キャリアの存在感が大きい市場だが、同サービスはサービス開始から右肩上がりに契約数を増やし、2024年9月末時点で157万件に達しており、大手キャリアで契約していたユーザーがNURO 光にスイッチするケースも増えている。後発かつ非キャリアのNURO 光がなぜここまで支持を伸ばしているのか。直近のデータと担当者へのインタビューから同サービスが評価される理由を探ると、通信速度だけではない尖った魅力がみえてきた。
NURO 光の回線数推移
●通信速度の更新と広がる提供エリア
まずは、NURO 光のこれまでの歩みを振り返っておきたい。同サービスは13年4月に関東エリア限定(1都6県)でローンチされた。当時から超高速光回線サービスとして、下り最大2Gbpsという通信速度がインターネットのヘビーユーザーを中心に注目を集めた。
日進月歩の業界において、通信速度の到達点はすぐに更新される。だが、NURO 光は18年に下り最大10Gbps、20年に下り最大20Gbpsを実現している。
同サービスのアップデート情報として、提供エリアの拡大も重要だ。関東エリア限定でスタートしたNURO 光だが、提供エリアは日々広がっており、2024年4月地点において24都道府県で導入可能。まだ提供されていないエリアも多いが、今後の伸びしろと考えれば契約数はさらに増えることが予想できる。
NURO 光の10Gbps提供エリア
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●ユーザーの通信速度に対する期待が変化
同サービスの現在地点と評価について、運営会社であるソニーネットワークコミュニケーションズのNURO事業部ビジネスデザイン部に所属する安生恵太部長に話を聞いた。安生部長はローンチから12年目を迎え、ユーザーの通信速度に対する期待が変化してきたと語る。
「NURO 光を開始した当時はスマートフォンの普及率は高くなく、YouTubeを視聴する人が増え始めてきたというタイミングで、高品質の動画をストリーミングで快適に見ることができるというのが価値になっていた。それが現在では、快適なのは当たり前で回線が落ちないといった信頼の部分を重視される人が増えている」(安生部長)という。
安生恵太部長
ユーザーの安心感につながる取り組みとして、直近取り組んでいるのが「信頼性の可視化」だ。数年前に通信が不安定な状況が続く事象が発生したことを受け、大規模な設備投資に踏み切った同社は、ユーザーが品質向上の状況を把握できるよう、設備の増強計画をWeb上に公開した。
「増強計画は業界的には秘匿情報とされているもの。我々としてもチャレンジングな試みだったが、新しいことにどんどん挑戦していけるのが当社の強みと考えている」。独自のポジションにいるからこそ、慣習に捉われない尖った戦略を展開できるという側面もあるようだ。