NURO 光の契約数が増えている理由は?担当者が語る「超高速」だけじゃない尖った魅力

●「NURO 光=ゲーム」というイメージが浸透



 NURO 光と競合である大手キャリアの違いとして挙げられるのが、光回線事業を主力事業として展開していることだ。安生部長は「光回線に全力を注いでいるからこそ、尖ったイメージを浸透させやすい」とブランド戦略を説明する。

 近年でいえば、ゲーミングとの相性の良さがユーザーの選択に直結することが増えてきている。22年10月に自社で実施した「NURO 光 ご利用状況に関するアンケート調査」によると、10~20代の利用頻度のトップはオンラインゲーム(PC)だった。NURO 光は黎明期からコアなゲームユーザーに利用されてきたが、イメージの浸透によって、ライトなユーザーも「ゲームをやるならNURO 光」という流れができつつある。

NURO 光の利用傾向

 NURO 光としてもゲーマーに対するアプローチに積極的だ。例えば、23年4月にはプロeスポーツチームのREJECTとスポンサーシップ契約を締結。チーム所属メンバーを通じた回線速度の訴求やゲーミング市場を活性化するコンテンツの提供などを行っている。

 ソニーグループという強みを生かした「PlayStation 5 for NURO」(PS5のリースをオプションで提供するオプション)なども他社サービスにはない魅力だ。有名ゲームタイトルとも数多くコラボレーションしており、NURO 光を契約する大きな動機となっている。

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●新時代のニーズに応える、目指すのは「通信体験ナンバーワン」



 通信速度でナンバーワンという称号を持っているNURO 光が、次に目指しているのが「通信体験ナンバーワン」だ。具体的にどういうことなのか。安生部長は「実際の通信するフェーズだけでなく、お客様が新規で申し込むあるいは乗り換えるというフェーズも含めて、本当にNURO 光を選んで良かったと思っていただけているか。そうした部分からしっかりと見直しをしていきたい」との考えを示す。

 通信によってできる体験の魅力を伝えていきたいという思いも持っている。ソニーグループの音楽や映画、そしてゲームといったコンテンツをいかにリッチに楽しむか。グループ内でも活発に議論が行われており、ユーザーが「良い体験をした」と感じるための可能性を日々模索しているという。

 多くの人がテレワークの浸透やオンラインゲームのムーブメントなどを経て、インフラとしての通信の重要性をますます認識するところとなった昨今だが、一方でインターネット回線は検討や乗り換えが面倒な類のサービスでもある。

 その中でNURO 光が契約者数を伸ばせている背景にあるのが、ユーザーのニーズにとことん寄り添う姿勢だ。若年層からの支持拡大はこうした姿勢と尖った戦略が確実に響いている証でもある。今後通信がどのように進化していくのか。そして、それによってどのような体験ができるようになるのか。ユーザーの立場で、NURO 光の次の展開を楽しみに待ちたい。(フリーライター・小倉 笑助)