“おいしさ”と“健康”の両立!植物性ヨーグルトブームが加速「出荷数300%超え」の大豆ヨーグルトも

大豆など植物性素材を使い、肉や魚・乳製品といった動物性食材の味わいを再現した「プラントベースフード」。

宗教的な理由だけでなく、世界的な人口増加や環境問題・肥満の深刻化などを背景に市場は拡大を続けており、2030年には「市場規模が5兆円を超える」という予測も出ている程。

動物性食材に味や見た目・食感を近づけるなど、代替食材として現在も進化を続けています。

そんな中、スーパーなどに数多くの種類が並ぶヨーグルトも植物性商品が続々と登場しており、健康志向がトレンドとなっていることもあって大豆・豆乳・米・ココナッツ・アーモンドといった植物を主原料に作った商品が台頭してきました。

2000年代初頭に大ブームとなったフジッコ株式会社の「カスピ海ヨーグルト」も、今では大豆をまるごと使用した商品があるそうです。煮豆ブランドも展開するフジッコの強みを掛け合わせてできた商品で、売上は好調だといいます。

そんな大豆のヨーグルトについて、フジッコの担当者に話を聞いてみました。

 

フジッコの「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」が絶好調!2024年は出荷数300%超えを維持

フジッコ株式会社は、業界初となる“大豆をまるごと”使用し、カスピ海乳酸菌で発酵させたヨーグルト「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」を2023年にリニューアルし発売中。

それ以降、健康志向の高まりなどから、リニューアル前と比べて2024年5〜9月間の出荷数は300%を超える人気となっています。

フジッコが展開する「カスピ海ヨーグルト」シリーズは、カスピ海乳酸菌の「クレモリス菌FC株」が作り出すとろ~りとした独特の“ねばり”が楽しめるヨーグルト。

2005年に市販用商品として発売されると、上述したとろ~りとした粘りと酸味の少ないまろやかな味わいが好評となり、15年間で14倍もの急成長を遂げたブランド。

シリーズの中でも「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」は、まるごと大豆の栄養をそのままに、この「カスピ海乳酸菌(クレモリス菌FC株)」を使用することで、大豆本来のふくよかな風味を生かしたまろやかでクリーミーな味わいに仕上げた乳成分不使用の植物性ヨーグルトとなっています。

フジッコ ヨーグルト・デザート事業部 課長の敷田加寿美氏は、

「まるごとSOYカスピ海ヨーグルトは、2024年7月に“きなこ”の添付企画を実施。前月6月と実施後の8月を比較すると、100人当たりの平均購入金額規模、購入回数規模ともにどちらも30%程度アップするなど、着実にお客様の中で定着してきていると感じます。」

とコメント。

「リニューアルでカスピ海乳酸菌を使った大豆ヨーグルトにしたことで、それまではストイックな大豆好きの方が多かったところ、もう少しライトなお客様も購入いただけるように間口が広がりました。一方、ヘビーユーザーの方からは酸味が穏やかで、大豆の味がしっかりしているのでおいしいというお声をよくいただきます。」

と、ライト・ヘビーユーザー双方から評価されていると説明。

「豆乳では捨てられてしまう“おから”の食物繊維や、原材料由来の自然な食物繊維を摂れることが、健康志向の方や女性のゆらぎ世代の方を中心に好評です。またこの秋から“管理栄養士推奨マーク”もつくことになりました。他の豆乳ヨーグルトに比べ、滑らかでとろ~りなめらかな食感が楽しめるので、その点は差別化が出来ています。」

と、今年9月からパッケージをリニューアルしたことも語りました。

 

“1万パターン”を超える組み合わせから誕生した奇跡の商品

フジッコは、2005年に「カスピ海ヨーグルト」を、そして大豆をより手軽に摂取できるように大豆素材の植物性ヨーグルト「大豆で作ったヨーグルト」を2020年3月に発売しています。

“まるごと大豆”ならではの大豆の風味・栄養の濃さや、乳成分不使用・コレステロールゼロという植物性ならではのヘルシーさから、健康や美容に関心の高い女性を中心に好評だったものの、大豆特有の後味やヨーグルトの酸味についておいしさを向上させるために製法の見直しを続け、最終的に「カスピ海乳酸菌(クレモリス菌FC株)」を使用することで、よりまろやかでクリーミーな味わいを実現。

フジッコ ヨーグルト・デザート事業部 開発の森脇鏡后氏は、

「リニューアル最大の焦点は、大豆風味との相性を考えて酸味を抑えること。それには大豆にカスピ海乳酸菌を組み合わせるのが一番いいということまではわかっていましたが、カスピ海乳酸菌は大豆に含まれている糖だけでは十分に活動できないため、上手く発酵が出来ませんでした。」

とリニューアルが苦戦したと説明。

試作を行っていく中で糖を加えてみたところ、理想の酸味と発酵した大豆の風味を保ち続けることに成功したのだとか。

「また色味についても、大豆に含まれているポリフェノールの影響でヨーグルトの色が変わってしまうため、変色を抑えようと執着していた時期がありました。その時、たまたま紹介された素材のメカニズムにヒントを得て、1日1試作を目標に100回を超える試作を重ねた結果、色味だけでなく味も確実によくなり、地道な開発に偶然が重なったことで、商品の見た目・味・風味に奥行きを醸し出すことに成功しました。」

と語り、味だけでなく色味にもこだわったと説明。

「大豆の種類」「乳酸菌のブレンド」「温度や時間などの発酵条件」「特殊な処理」など、様々な条件やパターンを考慮すると1万パターン以上、7年間をかけたリニューアルだったそうです。

大豆をまるごと使ったことで食物繊維などの栄養素をそのまま摂れるだけでなく、リニューアルによってよりおいしく食べやすく進化している「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」。

健康が気になる方だけでなく、大豆の栄養素を余さず摂りたいという方はぜひ「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」をお試しあれ。

 

商品詳細

●まるごとSOYカスピ海ヨーグルト

内容量:400g
価格:278円(税込)
賞味期限:27日
保存方法:要冷蔵