北海道のエゾシカの革を活用し、ニセコで縫い上げるカスタムメイドなグローブ|Niseko Glove(ニセコグローブ)

驚きのテーラーメイド

好みやライディングスタイルに合わせて自在な組み合わせが可能

手の形は人それぞれ。滑りのスタイルや滑走フィールドも人それぞれ。自分の手にもっとフィットさせたい、自分のスタイルやフィールドにあわせてパーツを選びたい、などなど、様々な要望がある。そんな多様なニーズに応るため、鎌田さんは現在、1点ずつオーダーに基づいて作る「セミカスタムメイド」モデルを中心に制作をしている。

「3種類の型があって、ミトン、3本、5本指、そこにカフが長いものと短いものとがあります。革の色も7種類くらいあり、パーツごとに変えられるので、手の甲、掌、サイド部分だけを色を変えるとか、好みで様々なカラーの組み合わせができる。

革の厚みの調整をしていないので、雄ジカだと体が大きいので自然と厚みのある革がとれて、その分耐久性もすごい。1.5㎜ほどで普通の革の2倍近くになる。重厚感があり、頑丈。一方で、雌ジカ、小鹿だと個体が小さいので革が薄くなって、よりしなやかで柔らかになる。ロープワークの多い人は、掌だけ雄ジカで耐久性を上げたり、春に使うものは雌ジカや小鹿の薄くて柔らかいところを使って、とか、そんなテーラーメイドもできるんです。

スキーかスノーボードかの滑走スタイルは? 形は? 革は厚く?薄く?
色や組み合わせ方はどんなもの好き? などの要望を聞いて、お客様ならこういう仕上がりがいいのではと提案したりもします」

Niseko Gloveでは、アウターグローブ(革手袋本体)」と「ライナーグローブ(内側の保温用手袋)」がそれぞれ独立し、着脱できる仕様。そのため、それぞれ個別にカスタマイズできる。また、アウターとライナーは単品でもオーダー可能。例えば、ライナーグローブをボリューム(厚み)別に複数持つことで、気温に応じた使い分けをすることもできるのだ。

こんなふうにユーザーの注文を受けてから1点ずつ丹精込めて縫い上げるため、制作には少し時間がかかる。オーダーして目安として1~2ヵ月だが、納期短縮サービス(有料)もある。価格の目安は、アウターとライナーのセットで、ミトン(ショートカフ)22,400円(税込)~5本指(ロングカフ)30,500円(税込)、形やカフの長さによって異なり、革のカラーパターンやロゴカラーの指定、ベルクロの留め方向や指を長くサイズ変更したり、カラビナループのパーツを追加したり、各種のオプションも用意されている。

「ゆくゆくはライナーにウールを扱う予定なのですが、現在は化繊素材を自分で塗って作っています。もともと化繊メーカーだったので、素材の強みは頭にしっかりと入っている。ウールには天然素材の良さ、ポリエステルならその良さもまたある。どっちもラインナップとして使えたらいいと思っているんです。化繊は国産もの。実は以前に勤めていたメーカーの化繊を使っています」

ユーザーのフィードバックはどんなものだろう?

「圧倒的に暖かい、と言われます。ライナーをけっこう厚めにして、鹿革も厚めに使っているので、保温効果が高い。柔らかさと耐久性、とくにガイドやパトロールなどの現場で使う時間の長い方からは頑丈だと喜ばれています」

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最後にメッセージ

「みんな海外のものをたくさん使うじゃないですか。だけど日本はスキーの歴史もある立派なスキー大国だと思う。もっとジャパンブランドが出てきて、僕ら日本人が自分たちのブランドをもっと発信してもいいんじゃないかと思っているんです。

ニセコへの観光客は増えていますが、そのなかで日本人は伸び悩んでいます。日本にもいいメーカーがあって、イイものがいっぱいあるので、自国のアイテムを身につけて日本のスキー場にみんなで行く、これがカッコいいんだと海外の人に思われるようになろうよって思う。

さぁ、北海道の“恵み”を手にはめて、雪山へと繰り出しましょう!」

教えてくれた人

鎌田 諭(KAMATA Satoshi)
Niseko Gloveファウンダー

1985年生まれ、秋田県出身。幼少期よりスキーに親しみ、進学先の北海道で基礎スキーに熱中。繊維メーカーへの就職で上京した後、2020年に北海道ニセコ町へ地域おこし協力隊として移住。2022年に「ニセコグローブ製作所」を立ち上げ、グローブ制作とスキーに励む日々。

Niseko Glove
公式サイト:https://niseko-glove.amebaownd.com/
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