この世には様々な「誘惑」が存在するが、読者諸君にはそれらに打ち克つ精神力をお持ちだろうか。
以前X上では、どんなに強靭な精神力の持ち主であろうと抗えない「驚きの自動販売機」が話題となっていたのだ。
■自販機に謎の物体、その正体は…
今回注目したいのは、弁護士・中村憲昭さんが投稿した1件のポスト。
「誘惑に駆られて購入してしまった」と、意味深なフレーズの綴られた投稿には、自販機の写った写真が添えられている。
上段には飲み物類、下段にはお菓子類が確認できるが…なんと、スナック菓子に紛れて「玉ねぎ」が販売されているではないか。
関連記事:偶然見つけた自販機、売っていた“高級商品”に衝撃 これは絶対に美味いやつ…
■「そのまま出てくるのか…」と驚きの声
ポストには10秒程度のショートムービーも添えられており、動画内で中村氏は「玉ねぎ」のボタンをプッシュ。取り出し口からは確かに、剥き出しの玉ねぎが出てきたのだった。
こちらの衝撃的な光景は瞬く間に話題となり、前出のポストは投稿から数日足らずで4万件以上ものリポストを記録したほど。
Xユーザーからは「玉ねぎ、そのまんま出てくるのか…」「ガチで玉ねぎだった」「どうやって入れてるんだろう…」「本当に出てくるの面白すぎる」など、驚きの声が多数寄せられていた。
そこで今回は、話題の自販機および玉ねぎの詳細をめぐり、自販機の管理者に詳しい話を聞いてみることに。その結果、衝撃の事実が明らかになったのだ…。
関連記事:レア度高めなジュース「梅よろし」、どこで買える? メーカーが明かした事実に驚き…
■ひと月前から自販機に「異変」が…
誘惑に駆られて購入してしまった。 pic.twitter.com/BFoSzKYfa9
— 弁護士 中村憲昭 (@nakanori930) November 27, 2024
ポスト投稿主・中村さんに話を聞いたところ、こちらの自販機は中村さんの事務所が入ったビル前に設置されたものと判明。
中村さんは「普段から変わった飲み物があったりするので、たまに利用しています」「最近、飲み物ばかりでなくスナック菓子等も置かれるようになったので気にはなっていたところ、1カ月ほど前からたまねぎが入りました」と振り返っており、展開のスピード感に一瞬混乱してしまった。
玉ねぎが気になって仕方がなかった中村さんだが、「職場で玉ねぎを使うこともない」という理性に従い、自分を抑えていたそう。しかしある日、ついに我慢しきれず購入に至ったのだ。玉ねぎはその後、「美味しく頂いた」とのこと。
関連記事:一見普通の自販機、日本に1つしかないラインナップに「初めて見た…」と驚きの声
■それにしてもこの管理者、ノリノリである
こちらの自販機を管理しているのは、北海道札幌市に店舗を構える「澤口商店」。
同自販機の詳細について、代表・澤口さんは「当店では長年、飲料の100円ベンダーを営ませて頂いています」「一昨年、自販機の入れ替え時にメーカーさんの勧めで、飲料水と食品の併売機を導入しました。この新型の自販機は温度管理もでき、冷凍食品以外は何でも販売できる優れものです!」と、語る。
かくして、澤口商店の店舗で取り扱っている、酒、たばこ、食品、飲料、鮮魚(魚の干物)、造りたて揚げかまぼこ、日用雑貨、100種類以上の駄菓子といった販売ラインナップの中から、澤口さんがチョイスした商品を新たに補充・販売していくこととなったのだ。
過去の変わり種商品を尋ねてみたところ、澤口さんからは「りんご、柿、みかんといった果物類が好評でした。他にも、板チョコ、『チップスター』などの箱菓子、袋菓子、カステラ類、羊羹や、パイナップルやみかんの缶詰、カップデザートなど、色々なものを販売してきました。『さけるチーズ』なども、なかなか好評でしたよ!」との回答が。それにしてもこの男、ノリノリである。
ちなみに今回話題となった玉ねぎは、札幌市東区の農家より直接仕入れた「北もみじ」という品種だという。
自販機で玉ねぎを販売する光景を「単なるウケ狙い」と捉えた人もいるかと思うが、澤口さんは「24時間いつでも利用できる自販機は、利用されるお客様はもちろん、販売する我々も恩恵を受けています」と、その利点を挙げる。
続けて「ここ数年、我々業者のニーズにあった様々な自販機を提供して頂けるようになり、機能もさらに進化して、トラブルも殆どなくなりました。メーカーさんに感謝です!」とのコメントを寄せてくれたのだ。
珍しい自販機に遭遇した際、たまには誘惑に身を委ねてみると、思わぬ発見があるかもしれない。
関連記事:池袋に現れた自販機、インパクトありすぎな姿が話題に 「中身」を確かめてみると…
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)