CEOが射殺された保険会社ユナイテッドヘルスケアってどんな会社なの? アメリカ人にイメージを聞いてみた

・アメリカの保険制度

ここらへんの印象は保険に詳しいかどうかでも変わってくるだろうが、少なくとも誰でも知ってる級の保険会社ではないようだ。

A氏「アメリカでは日本のような国民健康保険がなくて、基本的に他の国より料金が高い。こうしていい健康保険プランの料金を払える人、または会社や勤め先が健康保険を準備してくれる人もいれば、そうじゃない人もいる。

この頃、アメリカで金持ちの人と貧乏な人の生活水準ギャップが広がっていて、いい健康保険を手に入れられない人が全体的に保険業(利益のために営業している保険会社)をあまりよく思わない。

ただ、保険会社で救われていて特に恨みをもっていない人もいる。そんな中で、ユナイテッドヘルスケアは他の保険会社と比べたら、イメージは特に悪くも良くもない」

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・アメリカ在住のアメリカ人B氏

ふむふむ、知名度もあるだろうが、アメリカの保険制度の状況は大体噂に聞いていた通りのようだ。社会格差で医療が受けられないと。続いて、アメリカ在住のアメリカ人B氏にも聞いてみたところ……

B氏「あくまで以下は個人的な意見だが、そもそも、この会社に対してというよりは、アメリカの保険会社に対して不満がない人はいないと思う。少なくとも私の周りには。

その理由①:拒否されるから

例えば、医者が患者に「MRIをとったほうがいい」とアドバイス。しかし、保険会社は「その必要はない」と反論。そして医者側が保険会社に掛け合ってくれるのだが、NGな時もあればOKの場合もある。当たり前だが、NGの場合はMRI代は自分で支払うことになるか、それ自体をあきらめることになる。

その理由②:保険代が高いから

保険料も高く、インフレで上がっている。さらに治療費そのものが高い。

まとめると、保険代が高いのにも関わらず保険会社が拒否をすることがあるため、不満が溜まっているのだと思う。

また、日本では病院で治療をしてその場で支払うのが一般的。一方米国では、その場(病院)で払わず、のちに請求書が届く。例えば、「500ドルは保険でカバーされませんでした。そのため500ドルを払ってください」と。

つまり保険会社に一部の治療費を拒否されることもある。そのため、多くの人は請求書を受け取った後に保険会社に連絡をして患者自らが保険会社と交渉を行うことも。もちろん人によっては交渉をせず、受け取った請求額を全額払う人もいる。

何か1つに不満があるというよりは、医療全体に対して不満が蓄積されているのだと思う。

ちなみに、医者によっては「コストコで薬を買ったほうが安いですしお得だと思います」と親切にもアドバイスしてくれる人もいる。日本だとドラッグストアで薬を買うより医者で薬をもらったほうが安い場合もあるがアメリカでは逆だったりする」

──とのこと。ユナイテッドヘルスケアがどうこうと言うより、保険全体に対するヘイトという見方は一致。そのヘイト感情について、より具体的な例をあげてくれたところはさすが現在進行形でアメリカ在住なだけある。