2024年にMotoGPチャンピオンとなったホルヘ・マルティンは、ドゥカティが今シーズンに公平にチャンピオンを争うチャンスを与えてくれたことに感謝しており、将来的な再合流の可能性を残した。
マルティンは、来季ドゥカティのファクトリーチームに昇格確実と言われていたところから、一転してマルク・マルケスにそのシートを奪われることになってしまうと、陣営を出奔。2025年はアプリリアからMotoGPを戦うことを決めた。
ファクトリー昇格を巡るドゥカティの選択に対して、新チャンピオンはまだ思うところはあるようだが、それでもドゥカティが2024年を通じて、ファクトリーチームのフランチェスコ・バニャイヤと公平に戦うチャンスを与えてくれたことに、感謝しているという。
先日イタリアで行なわれたドゥカティのイベント”Campioni in Festa”に参加したマルティンは、次のようにドゥカティの姿勢を称賛した。
「ドゥカティには感謝しか無いよ。彼らは僕にたくさんのものを与えてくれた。MotoGPに参戦するチャンスという、既にそれ自体が難しいこともその一例だ」
「僕が昇格したとき、バイクはまだ勝てるバイクではなかった。簡単なプロジェクトではなかったんだけど、彼らも僕も、自分たちに自信を持っていた」
「そしてドゥカティは、僕に世界チャンピオンを最後まで争う機会を与えてくれた。あなた達(メディア)も、誰もこんなふうに終わるとは思っていなかっただろうけど、最後はこうなって、僕がタイトルを獲得した」
「この事について、僕はドゥカティに感謝するしか無い。そして将来的には、また一緒にいられるかもしれないね」
マルティンは2023年もタイトルを争ったが、この年はバニャイヤに敗北。2024年はより成長した姿を見せ、MotoGPクラスとなってから初のサテライトチーム所属でのチャンピオンライダーとなった。
2024年の初めに今年はチャンピオンになれると信じていたのか? そう問われたマルティンは、「もちろんだ」と答えた。
「ジジ(ダッリーニャ/ドゥカティのゼネラルマネージャー)が言っていたように、勝つことを考えずにシーズンをスタートさせようものなら、まっすぐ家に帰ってただろう。だって、それなら勝つためにあんなに頭を唸らせる必要がないんだから」
なお来シーズンに向けては、ドゥカティとの差を縮めるためにアプリリアにはまだやるべきことがたくさんあるとマルティンは認めている。とはいえ、最強ではないメーカーで走ることで、更にモチベーションは高まっているという。
「ゼロから作り上げて、学んでいくつもりだ」と、マルティンは語る。
「スタート地点を確認して、日毎に改善を試みていくつもりだ。僕らに何ができるのかは誰にも分からない。上手くスタートを切って、素晴らしい結果を出せるかもしれないし、そんなに良いスタートにはならず、改善しなくちゃいけないかもしれない。どうなるかは分からないけど、良くしていくことはできると思う」
「僕にとって、これはとても大きな挑戦になるし、とても難しいものになってくると思う。勝っているバイクや優勝しているプロジェクトから、今は全く勝てていないモノへと切り替えるとなると、簡単ではない」
「でも凄く自信はるよ。それに、そういった事も僕にとって新プロジェクトに対してのさらなるモチベーションを与えてくれる。ドゥカティに留まって、世界チャンピオンとして出場できたら素晴らしかっただろうけど、アプリリアへの移籍も、モーターサイクルの世界で“何者か”になろうとする新たなモチベーションを与えてくれるんだ」