株式会社朋栄は、11月に幕張メッセで開催されたInter BEE 2024において、機能統合型ライブ制作ソリューション FOR-A IMPULSEの共通プラットフォームを公開した。
このプラットフォームを活用した制作環境は、2025年末に放送局内環境におけるオンプレミスモデルから提供を開始し、その後、クラウド環境モデルやオールインワンモデルなど、各種ラインアップを順次提供する。
多様化するコンテンツ視聴形態に対応しながら、省力化や制作効率の改善が求められている現在、「映像制作におけるDX」が制作現場での共通課題となっているという。
朋栄は、これまで開発してきた各種専用機器の機能をソフトウェア化し、これらを共通プラットフォームに集約させるとともに、朋栄が提供する各種機器とも連携できるフレキシブルな構成変更が可能な新たなライブ制作ワークフローを実現するとしている。
FOR-A IMPULSEのプラットフォームの特長
共通プラットフォームに機能を集約し、専用機器を削減
各種機器の機能をソフトウェア化し、機能を「ノード」として共通プラットフォームに集約。このノードを組み合わせて「パイプライン」を構成することで、映像処理を行う。必要な時に、必要な機能を共通プラットフォームに追加/削除できるようにすることで、その時々の運用に合わせた柔軟かつ自由度の高いワークフローを構築でき、周辺システムの集約による効率化を可能にする。
各種機能を組み合わせるGraph Editorを提供
Graph Editorは、各種ノードを自由に配置し、それぞれを繋ぎ合わせたパイプラインを直感的に構成できる。各ノードの端子をマウスでポイントすることでプレビューウィンドウを表示(プローブプレビュー機能)。映像処理の前後を確認しながら、パイプラインを構築できる。パイプラインは、1つのプラットフォームで複数作成可能で、必要に応じてそれぞれのパイプラインを複数のシステムに割り当てて使用できる。
スイッチャーノード向けに、直感的な操作が可能なScene Editorを提供
スイッチャーノード向けのScene Editorでは、最終出力画面を確認し、直接マウスで選択しながらレイヤー構成や画面構成を設定していくことができる。P in Pの大きさや位置、エフェクトの追加/削除などを直感的な操作で配置/調整でき、設定した内容はGraph Editorにも反映される。
操作はWebブラウザーで実行、Media over IPシステムとの連携が可能
共通プラットフォームの制御はWebブラウザーから実行可能。ハードウェアパネルを接続しての操作もでき、複数箇所での分散環境制作や、遠隔地からFOR-A IMPULSEをリモート調整/制御することもできる。複数のパイプライン処理を構成する特長を活かし、朋栄のHi-RDS(階層型RDS)環境と連携することで、マルチベンダーで構築された複数のアイランド/セグメントのあるMedia over IP環境においても、パイプラインを仮想デバイスとして割り当てて使用可能。