コロナ禍以降、リモートワークなどのライフスタイルが定着し、在宅時間が長くなったことでリフォーム需要が増加した。この需要を取り込もうとして新規参入する業者も多い。一方で最近は、リフォーム業者などを装って闇バイトによる緊縛強盗の下見をする凶悪な犯罪が広く世間に知られるようになった。物騒な世の中にあって、どうすれば安全に信頼できるリフォーム業者を選ぶことができるのか。「リフォームガイド」を運営するあなぶきデジタルサービスの鈴木信彦執行役員に選び方のポイントを聞いた。
あなぶきデジタルサービスの鈴木信彦執行役員
●リフォーム業者などを装う強盗の下調べに注意!
国内リフォーム市場の規模は、いくつかの調査会社が推計しており6~7兆円規模ある大きな市場だ。リフォーム業界は中小・零細業者が多いが、コロナ禍以降の「巣ごもり」生活の中での改修、中古物件の価値を高めるリノベーションなど需要の高まりから、大手やホームセンター、電気店など異業種の参入も増えている。
「リフォーム事業は認可制ではないので、実は多様な会社がある。リフォームの元請けをしている事業者は全国に約9.5万社(リフォーム産業新聞社調べ)、さらに下請け工事をメインに受注している会社まで含むと、リフォーム業者として検討できる会社は数十万社も存在する」と鈴木信彦執行役員は明かす。
そして今、リフォーム業界を悩ませているのが、闇バイトによる強盗事件で多くの人の知るところとなった、強盗の下調べのためにリフォーム業者を装って家に立ち入って情報を収集するケースだ。
リフォームでは見積もりをするために、どうしても現場の確認や調査が必要となるが、強盗の下見が目的の犯人にとっては、ターゲットにする家の間取りや暮らしぶりを確認するためのいい口実になる。
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●アポなしの訪問業者を絶対に家に入れてはいけない
鈴木執行役員は、リフォーム業者を装った下見を防ぐための対策について、「第一に事前連絡やアポイントもなく訪問する業者を家に入れないことだ」として、その理由を語る。
「下見が目的の場合、家に上がり込んで貴重品の場所や間取りを確認したり、屋根に上がって侵入経路を確認するなどの行動をとったりすることが多い。例えば、キッチンのリフォームなのに、別の部屋にも入り込む、家の周囲をうろつく、窓やドアの鍵の状態を確認するなど、対象箇所以外の場所を不自然にチェックしようとする場合は要注意だ」。
また、リフォームとは関係のない質問をして、家族構成や生活パターンを探ろうとするケースもあるという。
「飛び込み営業の業者を決して家に入れないことで対処できる。戸建ての方は特に注意してほしい。もし、断りにくい場合は家族に相談してから連絡すると言って名刺をもらい、後で会社に直接電話をして確認したり、自分でネット検索したりする方が良い。地元の業者や有名リフォーム会社を名乗っていても、身分証を持っていないケースや偽物の可能性もあるため、話を聞いて興味をそそられても、鵜呑みにしてはいけない」と注意を促す。
強盗犯罪に巻き込まれないための対策について語る鈴木執行役員