鈴鹿サーキットで行なわれているオフシーズン恒例のスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストは、最終日である3日目を迎えた。3日目は、ルーキードライバー(通算の出走レース数が4戦未満)に限定されたセッションだった。
一番の注目となったのは、オリバー・ベアマンの参加だ。ベアマンは今季のF1で代役としてフェラーリ、ハースから参戦して入賞したことで注目を集めた。来季はハースからレギュラー参戦することが決まっているが、そのベアマンを一目見ようと、彼の出走チームであるKids com Team KCMGのピット前には多くのファンが人だかりを作った。
なお、ベアマンの他にも来季メルセデスからのF1デビューが決まっているアンドレア・キミ・アントネッリがdocomo business ROOKIEから出走する予定だったが、体調不良が続いていることからキャンセルとなった。
9時半からスタートした1時間半の午前セッションでは、12台がコースイン。しかし大草りき(PONOS NAKAJIMA RACING)がヘアピン立ち上がりの200Rで姿勢を乱しコースオフ。マシンにダメージを負ったようで、1周もタイムを記録できないままテストを終えることになってしまった。大草は自身のSNSで「情けないです。これが今の実力と受け止めて頑張ります。せっかく中嶋監督をはじめチームの皆様・佐藤選手にもチャンスを頂いたのに本当に申し訳ないです」と投稿した。
その後、この日から参加となったザック・オサリバン(KONDO RACING)がデグナーでコースオフ。同じくKONDO RACINGで2日目から走ってきたジェームズ・ヘドリーがスプーンでストップしてそれぞれ赤旗となった。
午前のトップタイムは、初日から走行しているフラガ。PONOS NAKAJIMA RACINGの来季ドライバー候補と言われる彼のベストタイムは1分36秒077だった。2番手は2日目からの走行となっている野中誠太(Kids com Team KCMG)で、3番手にはスーパーフォーミュラ初走行のベアマンが1分36秒940で滑り込んだ。
午後セッションは日差しが強くなってきた13時からスタート。ベアマンのタイム更新も注目されたが、ターボトラブルが出てしまったことで途中でテスト終了となった。そして各車そろそろ最後のアタックか……と思われたタイミングで、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGから参加の堤優威がS字でクラッシュ。赤旗が出されてそのまま終了となった。午後もトップはフラガ、2番手は野中だった。
総勢30名を超えるドライバーが参加した今回の鈴鹿テスト。来季のドライバーラインアップを占うテストだけに、今後の動きにも引き続き注目だ。ホンダ陣営は既に体制発表を済ませているが、いくつかのシートが未定のまま。トヨタは年内には体制発表があるのではないかとの噂だ。