『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』伊原六花を原作ファンの小学生が直撃取材!夢を叶える秘訣は「どれだけ楽しめるか」

世界累計発行部数1100万部を突破する廣嶋玲子・作、jyajya・絵による児童小説を実写映画化した『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』が本日公開を迎えた。幸運な人だけがたどり着けるという不思議な駄菓子屋“銭天堂”を舞台に、どんな願いも叶う“ふしぎ駄菓子”を買った人々の顛末を描く本作は、カラフルで魅惑的な駄菓子がズラリと並んだ様子や、店主の紅子(天海祐希)が導く人生のヒントなど、ワクワクの詰まった味わい深い1作として完成した。このたび本作のムビチケ前売券(オンライン)購入者のなかから抽選で招待された親子が、「MOVIE WALKER特派員」として本作に出演する伊原六花にインタビューを敢行!原作の大ファンとして気になっていることや撮影現場の様子、さらに夢を叶える秘訣などを直撃した。

■伊原六花、原作ファンとの対面に感激!


天海祐希が演じる紅子さんがスクリーンに登場! / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
店主の紅子が、訪れた人にぴったりの“ふしぎ駄菓子”を選んでくれるお店“銭天堂”。新米教師の小太郎(大橋和也)は赴任した小学校で、生徒たちから“銭天堂”の噂を耳にする。やがて“銭天堂”の駄菓子を買ったらしい人々の様子がおかしくなり、小太郎がひそかに想いを寄せる学生時代の後輩で、出版社で働く陽子(伊原)までが「もっと認められたい!」という気持ちが止められなくなり大暴走。大切な人々を守りたい小太郎が、紅子と共に謎を追いかける姿を描く。

今回「MOVIE WALKER特派員」として参加してくれたのは、埼玉県在住の小学6年生の島田桃伽さんとお母さんの香織さん。桃伽さんは原作の大ファンで、書籍はもちろんアニメも楽しみ、作中に登場する駄菓子をフェルトで手作りするほど愛してやまないのだという。桃伽さんの原作愛を伝えると、伊原は「すごい!お会いできてうれしいです」と感激しきり。温かな空気が流れるなか、インタビューがスタートした。


【写真を見る】小学6年生のMOVIE WALKER特派員と軽快な“銭天堂トーク”に見せてくれた伊原六花 / 撮影/野崎航正
ーー今日は特派員さんと一緒に、原作ファンの視点からもお話を伺えればと思います。桃伽さんのような小学生から大人まで、幅広い世代の支持を集めているシリーズを実写化する本作。出演が決まった時の感想を教えてください。

伊原「たくさんの方が楽しんでいる物語の世界の一員になれると思うと、とてもうれしかったです。脚本を読んでみると、誰か一人の物語を描いているわけではなく、小学生の悩み、大人になってからの悩みなど、誰しもが切実な悩みを抱えているということが描かれていて。観る方の年齢によってもそれぞれ刺さる場所が違ったり、いろんな世代の人に共感してもらえる内容だと感じて、すごくワクワクしました。私が演じた陽子は、社会人になって『もっと成長していかなければ』と思ったり、誰かと自分を比べてしまったりもします。私自身、そうやってもがく姿にもとても共感ができましたし、人間味や愛おしさを感じました」

ーー3時間超えの特殊メイクによって天海祐希さんが“銭天堂”の店主である紅子役を、映画オリジナルキャラクターで伊原さん演じる陽子の先輩である小太郎役を大橋和也さんが演じています。役にぴったりだなと感じたことはありますか。


3時間超えの特殊メイクによって、天海祐希が“銭天堂”の店主、紅子に変身 / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
伊原「天海さんとご一緒できたのは、撮影期間にすると1日だけだったんですが、その日は私にとってクランクインの日でもあって。緊張していた私に、天海さんが気さくに話しかけてくれて、常に楽しい空気を作り上げてくださいました。撮影の合間には、『陽子ってつらい想いをして、ここ(銭天堂)に来たんだよね』と陽子に共感しながら、お話をしてくださることもあって。その会話によって、私は『そうか、それならばこういうお芝居をしてみよう』というヒントをもらえました。答えを出すのではなく導いてくれるという感じは、本当に紅子さんのようでした。また大橋さんはものすごいムードメーカーで、現場を明るく、いつもハッピーにしてくださって。いろいろなことに気配りができる方で、すごいなと思いました。小太郎先生は陽子に対してだけでなく、同僚の先生や生徒たちなど、みんなのことを気にかけているキャラクター。駄菓子に振り回されてしまう人たち、みんなを助けようと動いている人なんですね。『全部、僕が助ける!』というヒーロー感も、大橋さんと小太郎先生で重なる気がしています」


デビュー後映画初出演の大橋和也が、小学校教師である等々力小太郎役を演じている / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
ーー原作ファンの桃伽さんは、映画のどのような点が気になっていますか?

桃伽さん「私は『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の不思議なところが好きで、学校にも本を持っていって、休み時間に読んでいることもあります。映画もとても楽しみにしているんですが、原作の不思議な世界がどのような雰囲気として出来上がっているのか、とても気になっています。伊原さんは、原作を読まれましたか?」

伊原「読みました!駄菓子図鑑も読みましたし、アニメも観ました。そうですよね、あの世界がどうやって実写になっているのか気になりますよね。路地裏に迷い込んで“銭天堂”への景色が広がっていく瞬間や、猫に導かれていくワクワク感もしっかりと描かれているので、ぜひ楽しみにしてほしいです!実は、あの猫ちゃんはCGではなく、本物なんですよ。とても賢い猫ちゃんで、きちんと導いてくれました。あと音楽もとてもステキで。現実世界とファンタジー空間、それぞれが浮かび上がるような音楽になっているので、耳からも本作の世界に入れると思います」

■“銭天堂”のセット&駄菓子の秘密に特派員が驚き!


カラフルで魅惑的な駄菓子がズラリと並んだ“銭天堂”は、隅から隅まで見応えたっぷり! / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
ーー実写として登場する“銭天堂”も、大きな見どころとなります。

桃伽さん「伊原さんが、紅子さんのお店、“銭天堂”のセットに入った時の感想や、印象に残っていることがあれば教えてください」

伊原「“銭天堂”のお店の中では原作には出てこない駄菓子を見つけることができたり、どのお客さんがなにを買ったかをつけている帳簿も目にすることができました。映画では帳簿の中身までは映らないのに、ちゃんと記入もされているんですよ!美術さんの細やかなこだわりがたくさん込められていて、それがリアリティを生む秘訣なんだなと感じました」

桃伽さん「セットのなかに入ってみたいです!」

伊原「そうだよね!実は並んでいるお菓子、ものすごくおいしいんです。私が演じる陽子は“おしゃれサブレ”という、似合う服が光って見える駄菓子を食べるんですが、これが本当においしくて。それも『役者が食べてちゃんとおいしいものにしたい』という中田監督のこだわりによって作られているんです」

桃伽さん「映画に出てくる駄菓子は本物なんですね!袋の中身は入っていないと思っていたので、細かく作られているんだなと驚きました。本を読んでいると『あの駄菓子、食べたいな』と思ったりもします」

伊原「桃伽さんは、“銭天堂”のどの駄菓子が好きですか?」


“銭天堂愛”あふれるMOVIE WALKER特派員の桃伽さん / 撮影/野崎航正
桃伽さん「私は、“タイムライム”と“お茶の子チャイチャイ”が好きです。“タイムライム”は食べると時間の長さをコントロールできるので、自分の時間を作ることができていいなと思います。“お茶の子チャイチャイ”は飲むといろんなことがスムーズにこなせるようになるチャイです。伊原さんは、食べてみたい“銭天堂”の駄菓子はありますか?」

伊原「いくらでも食べ物を食べられるようになる、“底なしイ〜カ”です。『もっと食べたいのに、胃袋がもう限界…』と思うことが多くて(笑)。たとえばおいしいものがたくさんあるレストランに行って『この味も、この味も食べてみたい』と思っても、地方にあるお店だとしたら通うことはできないですよね。そうなると『食べ尽くしたいのに…』と悔しい気持ちがします(笑)。私にとって、食べることは元気の源のひとつかもしれません!」

桃伽さん「いっぱい食べるんですね。その答えも意外でした!もし子どものころに“銭天堂”にたどり着いたとしたら、どんな願いを叶えてもらいたいですか?」

伊原「今回の映画にも登場するのですが、食べるとモテまくる駄菓子、“もてもてもち”かな(笑)。これはきっと、誰もが大人になっても食べたい駄菓子だと思います。言葉にしないだけで、きっとみんな心のなかでは『これがほしい』と思っているんじゃないかな。でも使い方を間違えると大変なことになるので、注意が必要です。あとは紅子のライバルである、よどみのお店“たたりめ堂”の“ずるずるあげもち”も気になります。“ずるずるあげもち”を食べると、まったく勉強をしなくても点数を上げられる。でもズルをするとやっぱりいいことばかりではないわけで…。こうやって欲望とその叶え方について考えられるのも、『銭天堂』シリーズのおもしろいところです」


子どもだったら“もてもてもち”が食べたかったと明かした伊原 / 撮影/野崎航正

■伊原六花が考える、夢を叶える秘訣とは?

ーー伊原さんは、ダンスの強豪校として知られる大阪府立登美丘高校ダンス部でキャプテンを務めたのち芸能界の道を歩み、現在は映画やドラマ、舞台など幅広いジャンルで活躍しています。もともとダンスへの憧れや夢を抱いていたとのことですが、伊原さんが夢に向かって突き進むうえで「こんな駄菓子があったら助かる!」というアイデアを練るとしたら、どんなものになりますか。

伊原「やはりダンスは体力勝負なので、“無限体力、ラムネ”とかどうでしょうか。ダンスができなかったり、身体を動かせない日には体力を貯めることができて、『今日はたくさん踊りたい』という時に“無限体力、ラムネ”を食べると、貯めておいた体力が戻ってくる。そんな駄菓子があったら、たくさん練習ができますね」

桃伽さん「おもしろいですね!」


「夢を叶える秘訣」を聞かれた伊原はどう答えた? / 撮影/野崎航正
ーーとてもパワフルな考え方ですね!伊原さんにとって、夢を叶える秘訣があれば教えてください。

伊原「『どれだけ楽しめるか』ということが大事だと思っています。私は小さなころからダンスが大好きで。高校時代など、スケジュール表を見た人からは『すごい練習量だね!』と驚かれることもありましたが、いま振り返ってみても自分としては『大変だな』と思ったことはほとんどありません。楽しいからやっていて、だからこそ長続きするんだなと感じています。いまはダンスに限らず、お芝居や歌、バラエティにも挑戦させていただいていますが、いつも『私はなにが楽しいかな』とすべてにおいて好きなところに目を向けるようにしています。『仕事を楽しむ』というと月並みですが、改めてそれを実感しています」


“銭天堂”に迷い込む雑誌編集者の陽子…「もっと認められたい!」という想いが暴走していく / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
ーー「大変だ、しんどい」と思ったとしても、「この仕事のなにが好きだったのか」と原点を振り返ると力が湧いてくるものだと感じます。桃伽さんは、いまどんな夢を持っていますか?

桃伽さん「私は空港で働きたいなと思っていて、キャビンアテンダントや入国審査官のお仕事に興味があります」

伊原「ステキです!キャビンアテンダントをやっている友だちがいますが、とても楽しそうにお仕事をしていますよ」

桃伽さん「なぜだかわからないんですが、すごく惹かれる感じがするんです」

伊原「『なんかいいな』という直感って、ものすごく大事だと思います。(魔法をかけるような仕草をしながら)なれる、なれる!微力ながら応援しています」

桃伽さん「ありがとうございます」

ーー本シリーズには願いを叶えてくれる駄菓子が登場しますが、それを手に入れたとしても、「幸せになるか不幸になるかは、その人次第」である点も特徴です。「未来や状況も自分次第で変えていける」というメッセージも感じられます。

伊原「私もそういった考えを持っています。たとえば、自分がハッピーじゃないと、ハッピーな見え方ができなかったりします。すごく不機嫌そうな人がそばにいたとして、自分の心に余裕がない時だったら『なんでこんなに不機嫌なんだろう。もっと笑えばいいのに』と感じてしまうかもしれませんが、ポジティブな心持ちにしていれば『昨日、嫌なことがあったのかな。大丈夫かな』と相手の状況を想像できたりもする。自分の気持ち次第で見えてくるものもまったく変わってくるはずですし、ハッピーにしているときっといい風が吹いてくるんじゃないかなと思っています。桃伽さんもぜひ、いっぱい楽しみながら毎日を過ごしてほしいです」

桃伽さん「自分次第で見えるものが変わってくる。そして楽しむことが大事だというお話も、とても心に残りました。今日は緊張しましたが、いろいろ聞けて楽しかったです。ありがとうございました!」


ふしぎな駄菓子に翻弄されていく陽子はどんな結末を迎えるのか… / [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
取材・文/成田おり枝