鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストでの最大の注目株と言えたオリバー・ベアマン(Kids com Team KCMG)。ルーキー枠の3日目のみの参加となったが、非常に有意義な1日になったという。
ベアマンは今季フェラーリとハースでF1に代役参戦し、入賞を記録したことで注目を集める19歳。来季はハースからレギュラー参戦することになっている。現在進行形でF1の世界で活躍するドライバーの来日となり、KCMGのピット裏はファンでごった返していた。それでもベアマンは、時間が許す限りフランクにファン対応していたという。
ヘルメットには、“ベアマン(Bearman)”という名字をもじって“熊男出没注意”と書かれたステッカーが。これはTGR(トヨタ)のスタッフに渡されたものだといい、「とても良いね、感謝しているよ! 読めないけど意味は教えてもらったし、日本語で自分の名前を書く練習もしたんだ」と笑顔を見せる。
3日目の走行は1時間半のセッションが2本という構成だったが、午前のセッションではピットイン/アウトを繰り返してチェック走行含め計6回のランを行なった。走るたびにタイムを縮めていき、最後には新品タイヤを履いてのアタックに臨んで1分36秒940というタイムをマーク。これは12名参加したセッションでの3番手タイムであり、このセッションがスーパーフォーミュラ初走行となった5名の中では最速だった。
午後にさらなるタイム更新なるかに注目が集まったが、ターボトラブルが出てしまったことでセッションを途中で切り上げたベアマン。午前・午後を通してニュータイヤでのアタックが1回しかできなかったことは残念がったが、自身のタイムには満足していると語る。
「あれ(午前最後のアタック)がニュータイヤを履いての初めての走行だったから、とても満足しているよ」
「このタイヤでは1周しかタイムを出すチャンスがないから、とにかく全力でいくしかなかった。午後にもっと走れるのを楽しみにしていたけど、トラブルが出てしまってできなかった」
今回のテストは、来春に開催されるF1日本GPの舞台である鈴鹿サーキットの習熟がテーマだったと明かすベアマン。そういった点でも有意義なテストになったと語った。
「F1の他のドライバーと比べると、僕は鈴鹿の経験が最も少ない部類だ。だから彼らに少しでも近付く方法がこれだった。とてもタフでテクニカルなコースだから、1周1周が大事なんだ」
「走行時間は期待していたものよりも短くなってしまったけど、それを最大限活かせたと思う。このコースを学習することが目標だったわけだし、走れて嬉しかった。シミュレータとは違って、現実ではバンプや風向きなどの影響を受けてタイヤがすぐにオーバーヒートしてしまったりするので、そこをコントロールすることが重要だ」
「午前のショートランと午後のロングランで多くのことを学んだ。とても有意義だったし、楽しかった」
「来年の4月に戻ってくるのが楽しみだね」