映画『くすぶりの狂騒曲』立川晋輔監督が語る! 出演者の魅力と撮影の裏側に迫るオフィシャルコメント解禁!

立川晋輔監督 コメント

■和田正人(タモンズ・大波康平 役) について


Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会

――まず、和田さんの印象を教えて下さい

和田さんは、どちらかというと健康的なイメージで、お笑いもお好きで芸人さんへのリスペクトも凄かったので、僕から特に何も言う事なく、全てやってくれていました。演じられた大波さんの役も、はじめは少し力が入っていたようですが、途中からご自身も投影され演じられていた印象があり、完璧に仕上げてきていただきました。

――違う人物なのに、ファンの間でも演じられた「大波さんに見える!」という声が多く挙がっています。和田さんと大波さんで、共通点を感じられたところはありますか?

和田さん・大波さんともに、“ひたむきさ”を感じました。後に和田さんとご飯へ行って分かったことですが、和田さんは人に対して丁寧で、熱い方です。それは今作の役者に対してもそうでした。大波さんも、相方の安部さんに対して“愛情”という言葉が当てはまるのかは分かりませんが、コンビ間での物凄い“絆”を感じます。
正直、印象がはじめと一番変わったのは、和田さんかもしれません。はじめは俳優・芸能人という空気を纏った方だと思っていましたが、平気で泥水をすすりに行っていただけるような親しみやすい方で、やりやすかったです。

――和田さんとの撮影で一番印象に残っていること・シーンはありますか?

大波と安倍の2人が路上を走って歩道橋に上がっていく終盤のシーンですね。
和田さんが演じている最中というよりかは、出番前の佇まいや雰囲気が、相手あってのお芝居だとは思いますが、1人で役と向き合っている姿が格好良く印象に残っています。もちろん座長として中心となって周りの役者との関係性も築いてくれていて、待ち時間も盛り上がっていましたし、自然と現場の空気感を作り上げて下さっていたのも助かりました。

 

■駒木根隆介(タモンズ・安部浩章 役) について


Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会

――駒木根さんの印象を教えて下さい

駒木根さんは、本当に器用な方ですよね。1番凄みを感じたところは、ちょっと笑いがあるシーンからシリアスなところを成立させていくところです。無茶な設定が多かったところ、コントにもならず、絶妙な演技に説得力がありました。
「やっぱりこのセリフは入れない」「こういう感じのキャラになるよね」というセッションが出来たのも、やっていて楽しかったですし、信頼ができました。現場の空気や裏でも、状況を見て常に間に入ってバランスを保ってくれていた印象です。

――駒木根さんが演じられた安倍さんも、和田さん&大波さん同様に御本人に近いというコメントがたくさん挙がっています。監督からみた、2人の共通点はありますか?

似ているという点でいうと、“声”ももちろんありますが、とにかく“人に愛される”ところかな、と思います。安倍さんは天然で愛されるタイプかと思いますが、駒木根さんは、狙って愛される術を持っている。意識してちゃんと安倍さんの愛されキャラを作り上げている姿に、本当に器用さを感じました。

――駒木根さんとの撮影で、一番印象に残っていること・シーンはありますか?

囲碁将棋の根建さんと楽屋で話した後の、叫ぶシーンですね。
あとは、駒木根さんの場合は関東出身の方なので、エセ関西弁を受け入れてもらえるのかは不安ではありました。駒木根さん自身も不安がっていたところではあって、関西の方からしたら違和感が出てしまうので、気になって物語に入っていけないのでは?と危惧しました。でも、安倍さん自体がおかしな関西弁を話されるんですよね(笑)。キャラクターなのか。それもあって、周りも「ありなんちゃうか?」となり、安倍さんがそれを気にさせないくらいのキャラクターで、駒木根さんもそれを忠実に作っていってくれたので、安心して進められました。

――現場での和田さんと駒木根さんの関係性は?

和田さんがやろうとしていることに対して、駒木根さんがしっかりと受けて返している印象でした。決して駒木根さんが受け身という訳ではなく、意図して応えているところも見えて、本当に楽しそうでした。

 

■岡田義徳(ベリーハック・諸積翔真 役) について


Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会

芸人を辞めていく人たちの代表的な役を演じてもらったんですが、はじめの顔合わせに「実はこれは、諸積の話しでもあるので、最後は岡田さん(諸積)の顔で終わらせてほしいんです。どんな表情をするかは、お任せします」と、想いの丈をお伝えさせていただきました。

――岡田さんの印象を教えて下さい

現場では気づかなかったんですが、後に成立していることが多くあったことに気づきました。例えば、頭のほうに、穂積が大波や村上を見送るシーンがあるんですが、そこの顔のアップシーンで、とんでもない殺気を放たれたんですよね。御本人としては、あえてだったみたいですが、そのカットは「やりすぎです。もう少し抑え気味で」とリクエストして撮り直しをしました。でも結局使用したのは撮り直す前のカットでした。あれくらい殺気を放った表情じゃないと、後に繋がらないと感じたんですよね。振り返ってみると、そんなシーンが多かったなと感じます。

 

■徳井義実(「大宮ラクーンよしもと劇場」支配人・名越総一郎 役)について


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徳井さんは、大好きですね(笑)。役者として、あれだけ色気があって、上手で、飄々とした感じでやっているのに確実に印象を残されているのは、すごいなと感じました。震えましたね。

――徳井さんの印象を教えて下さい

徳井さんとご一緒するのは今回で2回目になりますが、今作ではほとんど話さなかったです。演出も少しリクエストを出すことはありましたが、「はーい」と一言返事で、確実にインパクトを残してくれました。例えば劇場で大波の肩を叩くシーンがありますが、あの飄々とした感じで、確実に仕上げてくれるんです。芸人さんなので、足りないところはアドリブで埋めて下さったりもして……。芸人としても、役者としても、凄さも感じました。ただ、個人的にはもっとコミュニケーションをとりたかったですね(笑)。

 

■辻凪子(「大宮ラクーンよしもと劇場」社員・山岸あかり役)について


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一言で言うと、辻さんは、こんなもんじゃないです。コメディエンヌと自覚されているようですが、シリアスな役をやってもらえばやってもらうほど、力を発揮するタイプじゃないかな、と思っています。はじめは色々とお話もさせてもらった記憶があって、それは前作(『風の中のピアノ』/22年)で彼女に大きく救われた部分も大きくあったからです。存在感もあるので、今作でも彼女の魅力を引き出す為に、何度もお話をさせてもらいました。思い返すと、楽屋でのあの雰囲気を出せるのは、辻さんだったからだな、と信頼を置いています。

 

■永瀬未留(タモンズファン・月瀬琉瑠 役)について


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永瀬さんは、オーディションで選ばせてもらいました。候補がたくさんいる中、劇中で披露している歌を歌い終わった後の、なんとも言えない表情が印象的で。難しいシーンもたくさんあったので、苦労はしただろうなと思っています。僕から具体的な指導はしなかったですが、助監督の女の子と話し合いながら作り上げていってくれて、大事なシーンをお任せしていたこともあり、今作で彼女自身にも何か思うことが残っていれば良いな、と思っています。
劇中で披露している歌は、彼女の曲ですし、彼女の中にあるものを引き出してやってもらったので、あの歌がこの映画全体を代弁してくれているようにも感じます。彼女をキャスティングして、本当に良かったですし、出会うべきして出会った存在です。

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ストーリー

「大宮セブン」が活動する大宮ラクーンよしもと劇場は少ない客、会社からの非難や悪口などなどお世辞にもその扱いは良いものとは言えなかった。追い打ちをかけるようにコロナ禍により劇場などの活動が停止し、収入低下などにより彼らの不安や状況は悪化の一過を辿っていた。

そんな中、「大宮セブン」メンバーの「すゑひろがりず」がM-1グランプリで決勝進出をはたし、YouTubeでの活動から人気を得て大宮セブンの活動にも変化の兆しが見え始める。さらに続くようにR-1でのマヂカルラブリー野田の優勝、M-1グランプリでマジカルラブリーが優勝を果たし一気に大宮に注目が集まる。メンバーも各賞レースで結果を残し、大宮セブンの躍進が始まる。

しかし初期メンバーであるタモンズは仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけを掴めないまま、手掛かりを掴もうともがき苦しんでいた。現状を打開するためにコンビ名を改名したり、果てには新たにメンバーを追加してトリオになろうとしたり、明確な指針もないまま迷走を始める。そんな彼らの様子を間近で見ていた大宮セブンのメンバーは夜中に相談に乗ったり、自身の問題と重ねたりしながらタモンズを何とか支えるのであった。

メンバー間の友情、応援などを経てタモンズは芸人を目指した時の純粋な気持ちを思い出し、ラストイヤーのM-1へ最後の挑戦に挑みました。

【実在するお笑い芸人「タモンズ」、【大宮セブン】について】
ツッコミ担当の大波康平とボケ担当の安部浩章によるお笑いコンビ。2006年結成され、現在も吉本興業に所属。埼玉県さいたま市大宮区にある大宮ラクーンよしもと劇場を主な活動拠点としている吉本興業所属のお笑い芸人によるユニット・大宮セブンの初期からのメンバー。現在の大宮セブンのメンバーはタモンズ、囲碁将棋、マヂカルラブリー、GAG、すゑひろがりず、ジェラードンなどで構成される。 
※実在する大宮セブンは、映画本編には登場しません。

作品概要

映画『くすぶりの狂騒曲』
公開日:2024年12月13日(金) 
■キャスト
和田正人 駒木根隆介
辻凪子 土屋佑壱 永瀬未留 / 徳井義実(チュートリアル) 岡田義徳ほか
■スタッフ
監督:立川晋輔
脚本:中村元樹
配給:イオンエンターテイメント 吉本興業
製作:NTTドコモ・スタジオ&ライブ 吉本興業 テレビ埼玉 the ROOM 
Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会
2024年12月13日(金)より新宿バルト9、イオンシネマほか全国ロードショー