フェルナンド・アロンソはアストンマーティンが来季のF1でトップランナーにはなれないかもしれないと分かっているが、2026年の新レギュレーションでチームが躍進することを期待している。そのためにも、2025年は忍耐強く戦うつもりのようだ。
アストンマーティンは2023年シーズン、大きく躍進。アロンソは開幕から8戦で6回の表彰台を獲得し、有望なスタートを切った。しかし2024年は一転、競争力が不足。アロンソの5位が最高リザルトとなった。この結果を受けて、アストンマーティンはテクニカルディレクターのダン・ファロウズを解任している。
現行ルール下のラストシーズンとなる2025年は、マシン開発によるパフォーマンスゲインもより少なくる傾向にあるため、アストンマーティンがトップ4チームを脅かすことはできそうにないと言える。
アストンがもう1年中団グループで過ごし、2026年まで忍耐強く待つ覚悟はあるかと問われ、アロンソは次のように答えた。
「ああ。風洞を使う時間もたくさん持てるからね」
アロンソが言及したのは空力開発制限についてであり、コンストラクターズランキングに応じて風洞実験とCFD(コンピュータ流体解析)を実施できる回数・時間が増減する制度だ。
来年1月からは、2026年に導入される新テクニカルレギュレーションに向けた開発が許可されるため、このタイミングでどれだけ風洞、CFDができるかは非常に重要だ。
アストンマーティンがシルバーストンに建てた新しい施設は完全稼働に近づいており、元レッドブルのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイと元フェラーリのテクニカルディレクターであるエンリコ・カルディレは来年初めからアストンマーティンで仕事を始める予定だ。
こうした背景もあり、アロンソは「今、僕たちはリセットすることができると思うし、今年のすべての困難や失敗から学び、その学びを来年のプロジェクトに生かすことができる」と語った。
「新しいファクトリーも完成し、新しい風洞ももうすぐオープンする。(新グループCEOの)アンディ・コーウェルはすでにチームの弱点をいくつか変えてきている。だから、僕たちは新経営陣を信頼しているし、物事は正しい方向に進んでいると思う」
「しかし、F1では奇跡はそう多くはない。忍耐強く、マシンのスイートスポットを見つけ、グランドエフェクトカーのすべてを目覚めさせるアップグレードを見つける必要がある」
アロンソはアストンにもマクラーレンを見習ってほしいと考えている。マクラーレンは2023年オーストリアGPで投入したアップデートで一気に競争力を上げると、コンストラクターズタイトルを獲得した今シーズンの礎を築いた。
アロンソはマクラーレンについて「彼らは最後尾からスタートして、シーズン半ばに優勝した。僕たちは彼らから学ぶ必要がある」と指摘した。
「これはどんなことができるかという良い例だ」
「オーストリアで彼らはアップデートパッケージを導入し、コンマ6秒か7秒かゲインした。それが一連のパッケージの始まりで、最終的には彼らのマシンが最速になった」
「だから僕たちは、言うなればその”オーストリアのパッケージ”に取り組むべきなんだ」