自分のことって、自分自身では案外わからないものです。どんな人なのか、なにを望み欲しているのか、本当はなにに傷ついているのかーーー。
今回ご紹介するのは、そうした「自分自身の核」について改めて気づかせてくれる、最高にハッピーなリアリティ番組です。「ファブ5」の力を借りて、外見も内面も素敵に生まれ変わっちゃいましょう。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixリアリティ番組『クィア・アイ』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【どんな番組?】
フード&ワイン担当のアントニ、インテリア担当のボビー、美容担当のジョナサン、カルチャー担当のカラモ、ファッション担当のタンが、「ファビュラスな5人組=ファブ5」として人々を変身させてゆく本作。
その人の外見はおろか、住んでいる家や生活環境、内面まで素敵に進化させてしまう手腕はお見事! ものすご~く端的にいえば「人間版・劇的ビフォーアフター」なのですが、それだけでは説明しきれないほどの良さがあるんですよ。
こうして解説するよりも、番組を鑑賞すれば一目瞭然だと思いますので、これから私がおすすめしたい神回5選をご紹介していきますね~!!
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【おすすめ神回5選】
■シーズン1:5話「新しいルール」
ターゲットは6人の子ども(!)をもつお父さん・ボビー。朝から晩までめまぐるしく働き、家にいるときは家事をして、妻と子どもたちを大切にしていますが……他人を優先してばかりで自分のことを大事にしていないんですよね。
そんなボビーのために、ファブ5は最善の方法を考えます。経済的余裕がなくてもファッションを楽しめるようスーパーマーケットで服を調達したり、愛する妻との結婚式をやり直すお手伝いをしたり。そうやって楽しい体験を重ねていくことで、ボビーとファブ5の絆もどんどん深まっていくのです。
敬虔なキリスト教徒であるボビー×インテリア担当のボビーが宗教について話し合うシーンも見どころのひとつ。ゲイであることを理由に教会から不当な扱いを受けたことのあるボビー(※ファブ5のほう)に対し、依頼者であるボビーが投げかけた言葉とは……?
■シーズン2:1話「ゲイに神のご加護を」
ターゲットはゲイの息子をもつお母さん・タミー。実はこのお話、先ほどご紹介したシーズン1:5話「新しいルール」につながるものがあるんですよ。
タミーも敬虔なクリスチャンですが、その息子はゲイであることを理由に教会から離れています。そしてインテリア担当のボビーも、タミーの息子さんと同様に教会に近づくことができず、足を踏み入れることすら拒否してしまうのです。
宗教上の理由から、同性愛を認めないキリスト教徒もいるため、このような経験をしている人も少なくないよう。当事者の葛藤や苦しみ、「隣人を愛しなさい」という言葉の真の意味に気づかされる神回です。
■シーズン3:4話「結婚式のミラクル」
ターゲットは結婚式を控えた男性・ロバート。すでに3人の子どもがおり、良き夫・良き父としてパートナーからも絶賛されているのですが、つらい生い立ちのせいで結婚に恐怖を抱いています。
しかも自分の容姿にコンプレックスもあるようで、口を開けば自虐ばかり……。自己否定をしすぎると、自分で自分を傷つけることがクセになっちゃうんですよね。
そんなロバートに対し、ファブ5は「そんなふうに思ってるのは自分だけ」「毎日少しずつ自分をほめてあげて」「自分を愛することを学ぶには5日以上かかるんだよ」と優しいアドバイスを送ります。ロバートと自分自身が重なる人も多そうです
■シーズン4:5話「たそがれのケニー」
ターゲットは、兄弟のなかでただひとり結婚せず60代を迎えた男性・ケニー。両親を看取ったあとは愛犬と暮らしていましたが、いまではその犬も亡くなり1人で生活しています。
ケニーは孤独を感じていたけれど、それ以上に人に頼ることを嫌っていました。だから誰にも気持ちを打ち明けられないし、出かけることもなくなって、自ら孤独を深めることに……。人のためには動けるのに(ボランティアもしてる!)決して自分を救おうとはしないんです。
本作はセルフケアの重要性、人を信じて頼ることの大切さをしみじみ感じさせてくれる神回。ケニーが “新しい家族” を迎えるシーンも感動的ですよ。
■シーズン5:4話「ノースフィラデルフィア物語」
ターゲットはNPOで働く若い男性・タイリーク。ようやく生活が安定したものの、つい最近まで家がなく、職もなく、頼れる家族や親戚もいないハードな人生を送っていました。
唯一、幼いころに一緒に暮らしていた “育ての親” とは良好な関係を築いていましたが、ちょっとした誤解から確執が生まれ疎遠になってしまいます。ただの誤解で大好きな人に会えなくなるだなんて……これ以上に悲しいことってある?
苦労したぶん、誰かのことを救おうと懸命に生きるタイリークの姿は胸を打ちます。けれど、自分を愛せないと誰かのことも愛せない。そのことに気がついていく過程に涙が止まらなくなるのです。