12月14日、ウエルカムプラザ青山でHonda Racing 2024 Season Finaleが開幕。この日の午前中にはホンダのMotoGPライダー4名によるトークショーが行なわれた。
トークショーにはホンダ・ファクトリーチームのジョアン・ミルとルカ・マリーニ、LCRホンダのヨハン・ザルコと中上貴晶が参加した。
事前抽選によって選ばれたファンの人たちを前に、ライダー達はレースウィーク中には見られない非常に和やかなオフシーズンらしい表情で登場し、大きな声援に手を振りかえしていた。
2024年シーズンのホンダは、近年の苦戦から立ち直りを目指して優遇措置制度も活かしたテストなども積極的に実施……しかしなかなかライバルメーカーには追いつけない苦しい状況だった。
ランキングではヨハン・ザルコの17位が最上位。他のホンダ系ライダー達も厳しい戦いだったことを認めているが、いずれのライダーも2025年シーズンに向けてはポジティブな姿勢を見せていた。
一方でオフシーズンらしく、この期間の過ごし方について聞かれると、フル参戦を終えた中上が最も忙しそうに過ごしているという以外な事実が明らかとなった
「皆さんご存知かもしれませんが、パンケーキが好きなので、そういったもの食べに行ったりして、自分の時間を作ってリフレッシュします」
そう中上は語る。
「一線を退いて長く休めるのかとも思ったんですが、テストも控えてますし、意外と休みなくトレーニングをしてという感じで、現役の頃よりシーズンオフが少ない感じですね(笑)」
そう中上は穏やかな表情で語った。とはいえ、新たな開発ライダーという役割に非常にモチベーション高く臨んでいる。
「既に来季に向けてHRCでミーティングをしたり、今までとは全く違う仕事になります。テストで乗るのはそうなんですが、エンジニアサイドにも入って、ただ走るだけではなく色々な大切な仕事を任せてもらって楽しみです」
「今までは完成されたものをテストして良い悪いを判断していましたが、その前の段階からエンジニアの皆さんと一緒に時間をかけて過ごせるというのが楽しみです」
なお今季からホンダに加入したマリーニは、2週間は完全オフにし、家族とゆっくり過ごす予定だという。
「2週間は完全オフにするつもりだ。子供や妻と毎日一緒に楽しく過ごしたい。そのあとは来シーズンに向けてジムやバイクでのトレーニングなどを行なっていくよ」と、マリーニは語った。
またザルコはシーズンが長期化してオフが短くなっているため、少ないこのオフ期間を“孤独”に過ごしたいと話した。
「毎年どんどん冬休みが短くなってきて、なかなか休むことが難しい。最近の休み方としては完全に1人で孤独に過ごす時間が必要だと思う」
「一年中たくさんの人と関わっていかなきゃいけないし、毎日たくさんの人とコミュニケーションをとらないと成り立たない仕事であると思うけど、やっぱり自分だけの時間をとって、自分の頭の中を整理して、そして1年間のリセットをするんだ」
「来年に向けてのリセットはやはり1人で静かに過ごすのが僕のやり方だ」
なお2025年の2月5日にはセパン・インターナショナル・サーキットでプレシーズンテストがスタート。2月末には開幕戦タイGPが始まる予定だ。ザルコの言うとおり、実に短いオフシーズンとなっている。