6年生は鳥獣戯画に関する随筆の読み取り

続いて、6年生の授業は国語の教科書にある鳥獣戯画についての随筆を読んで、その中から『ストーリー』『絵の描き方』『絵の解説・評価』について、どのように書かれているかを読み取るというもの。

ちなみに、日本語入力は、写真のようにキーボードを使っている児童もいれば、ディスプレイ入力で、QWERTYキーボードを使っている児童、五十音キーボードを使っている児童もいた。特にキーボード利用については指定せず、児童の使いやすいものを使えばいいというようにしているとのことだった。ちなみに、ローマ字自体は小学校3年生で習うので、低学年において五十音もしくはかな入力から始まってしまうのが、ちょっと悩ましいところ。

6年生ともなると、グループでの議論にも慣れており、活発な議論が交わされていた。

(広告の後にも続きます)

子どもがAgencyを発揮し、Well-Being溢れる学校に

授業と、いなべ市の教育について、いなべ市役所でより詳しく聞いた。いなべ市役所は、同市を象徴する森の近くにある素敵な建物だ。横に『にぎわいの森』という地域の特産品を買える建物が散在する設備が併設されており、市役所とは思えないほど多くの人が訪れている。

ご対応下さったのは、左からいなべ市教育委員会の学校教育課課長補佐兼指導主事の水谷妙さん、教育長の小川専哉さん、企画部情報課課長の伊藤正紀さん。

いなべ市は、前述のように早い段階から、成績データをはじめとする児童・生徒データの共通化、学校間による情報共有を行っている。また、教職員が自宅からセキュリティソリューションを用いてテレワークを行えるようにしたり、iPad導入なども早かった。

教師の負担を減らすために、ベネッセコーポレーションと契約しICT支援員を派遣してもらって、スムーズにiPad導入を行った。

現在のいなべ市の教育基本方針は『子どもがAgencyを発揮し、Well-Being溢れる学校に』というもの。つまり、子どもが自主的な姿勢で学び取り、単に成績の優劣でなく、快適な生活の延長線上に学習し、その先の人生においても良き生活を送れるようにするというような方針を持っている。実に、地方都市とは思えない先進性を持っているのである。これはちょっと驚いた。

iPad利用に関しても、上手く行った授業を活用事例としてレポート化、それを先生の間で共有し、活用するなどの方法がとられていた。

また、導入したiPadの活用も可視化。どの学校でどのぐらい活用されているか? 子どもはどう感じているのか? どういう効果が得られているのか? どのような課題があるのかが、データ化、共有化されているという。

今回のGIGA第2期においても、政府の予算だけにたよらず、早期からデバイスの更新、機種選定、ケースやキーボードの選定などが行われており、いなべ市教育委員会の強い意思を感じる。

その結果として、授業は大きく変わり、机に向かって先生の話を聞くのが中心だった授業が、動画作成、校外学習での活用、グループでの意見交換や相談が行えるようになったという。