【新日本】初の東京ドームメイン、海野とのIWGP戦は「未来を作っていくための戦い」 ザック・セイバーJr.インタビュー

 G1 CLIMAX初優勝、IWGP世界ヘビー級王座初戴冠、プロレス大賞MVP初受賞と2024年、大躍進を遂げたザック・セイバーJr.。1・4東京ドーム大会では海野翔太を挑戦者に迎え撃つ3度目の防衛戦を控える。“ザックイヤー”の2024年を振り返りつつ、初の東京ドーム大会メインイベントに立つ思い、挑戦者・海野に対する評価と戦う意義、そして2025年の目指す方向性を聞いた。

【ザック・セイバーJr.インタビュー】

――G1優勝、IWGP世界ヘビー戴冠、プロレス大賞MVP受賞と、ザックイヤーと言われますが、実感としていかがですか?

▼ザック「新しい干支になるかもしれないね(笑) その通り、僕にとってもこれまでで一番成功した年になったね。そのうちの一つだけでも獲得することは凄いことだよね。それを3つも成し遂げられた。プロレスラーって一つ成し遂げても、またその次ってなるよね。年に一回のMVPによって今年僕がやったことを実感できたね。コトシハイイネ。ヤッタ(笑)」

――日本に居を構えて、今まで以上に新日本に専念し、重ねてきた努力が実ったように感じます。

▼ザック「日本でトップになりたかったからね。ファンに受け入れてもらうことも目標だったし。受け入れてもらえてるって感じてはいたけど、今は受け入れられるだけじゃなくて、自分のポジションを受け入れるというよりも理解してもらえていると思う。海外から日本に来る人でよくあることだと思うけど、『いつ帰るの?』って言われる。僕はもう誰にも言われなくなったね。逆に『家族に会ってるの?』って心配されるぐらいだよ(苦笑)」

――イメージとしてザック選手の新日本愛と、ファンのザック選手に対する愛で相思相愛になったように感じます。

▼ザック「お互いに思い合ってるね。こうやって日本に来て、サポートを受けているからこそ、ここまでたどり着けたし、完全な両思いだと思ってるよ」

――1・4東京ドーム大会のメインというのはザック選手にとっての夢が叶うことになると思いますが、それを控える今の心境はどんなものですか?

▼ザック「今年、いろんなことを達成できたけど、まだまだ成し遂げなければいけないことはたくさんあるよね。G1に勝ってIWGPのチャンピオンとして東京ドームのメインイベントに立つ人って、ここ数年では珍しいんじゃないかな。ましてや僕はガイジンチャンピオンで、ガイジンMVPだからね。今回の東京ドームで僕の存在をより確固たるものにできるんじゃないかなと思っているよ。だってメインイベントは一回だけじゃなくて2日連続だからね。東京ドーム2日連続でIWGPを防衛した人はいないんじゃないかな。それは外国人レスラーとして大きな達成になるし、新日本のチャンピオンとしても新しい歴史を作ることになるよね。新日本のプロレスラーとして自分自身の足跡をたくさん残していきたいよね。一番の目標はIWGP=ザックになりたい」

――チャレンジャー海野選手にはファンから厳しい声がありますが、ザック選手は資格があるという発言をしていましたね。

▼ザック「みんなが言うことはわかるよ。僕はこれだけ時間をかけてようやく手にしたものだからね。ショータはいきなり挑戦できるの?って思う人がいても不思議ではないよね。ただ、僕を倒したのは彼しかいないからね。しかも複数回だよ。NEW JAPAN CUP、G1、タッグリーグでもね。僕にとって最高の1年だった今年のうちに、彼は3回も僕を倒しているんだよ。それに1・4のメインイベントは新日本でフルタイムで出ている人が立つべきだと思ってる。だからゲスト的な選手とやるつもりはなかったからね。未来を作っていくための戦いだと思っているから、後々振り返って、新日本の歴史上よかった時代だよねって言われるような時になるはずだから。新日本の歴史を作っていくために若いレスラーも育てていかないといけないしね。僕から言わせればショータ以外にいる? ギャップを感じている人はいるかもしれないけど、ショータの挑戦は新日本的にもメリットのあることじゃないかなと思うよ。僕の目標そのものを言えば、ショータの実力を疑う人がいるならば、『海野頑張ったよね』って言ってもらえるような試合をしたいよね。もちろん彼は僕を倒せはしないけどね。永遠にトップでい続けることは不可能だと思うけど、当分の間はこのベルトを持ち続けるつもりだよ。だって長年かかったんだからね。ショータにとって僕は最高の相手だと思うよ。彼のフィジカル、テクニックを引き出しているし、近代・新日本プロレスの良さを見せられるじゃないかなと思ってるよ」

――ザック選手から見て海野選手のストロングポイントはどこにあると思いますか?

▼ザック「ファンのこととか、いろんなことを考えないで、真の自分になった時、彼はもっと強くなるんじゃないかな。たぶん彼は『エースだったらこうするな、だから僕もこうしよう』っていうのがあると思う。入場のファンサービスとかを見ても、先輩の影響を受けていると感じるんだよね。それって彼自身じゃないよね。もちろんインスピレーションとか影響を受けるのはしょうがないんだけどね。僕を見たらわかる通り、エッセンスはもらうんだけど、直接的ではなく自分のものにする。もちろんキャッチレスリング、ブリティッシュレスリングの影響を受けてるんだけど、自分自身のものにして足跡を残してきたと思っている。でもショータと試合をしていると、まだ自分自身のものにできてないっていうのを感じるんだよね」

――そう感じるからこそ、東京ドームでの勝利を確信できるということですか?

▼ザック「まあね(笑) 経験のある選手との対戦となると、また変わってくるけど、若い選手との対戦は過去にメインイベントをやったことあるような選手が相手と同じエネルギーにはならないじゃない? 僕はチャンピオンで経験もあるし、東京ドームのメインイベントの経験はないけど、その重要性というのは理解しているからね。またこの人が東京ドームのメインイベントかって思われるような選手とはやりたくなかったんだよね。だから面白い図式なんじゃないかな。お互いこれから新日本をリードしていきたいという思いは同じだよね。プレッシャーは僕の方が大きいよね。だってチャンピオンだし、2024年が最高の年になったから、ここで負けたら何だったんだってなるよね」

――2日目にリコシェ戦を控えている状況も負けられない意識が高まるのでは?

▼ザック「僕が負けたらリコシェはガッカリするよね。チャンピオンと戦えるんじゃなかったの?って。だから初日、リコシェは僕のことを応援してくれると思うよ。彼がセコンドについて『ガンバッテ』って言ってくれるかもしれない(笑) それは冗談として、リコシェも僕と同じ思いがあると思う。彼はDRAGONGATEから新日本に来て、日本のファンにも人気があるけど、まだ日本の団体のトップに立ったことがないよね。だから、なりたいと思う。今回、AEWを代表して来るけど、新日本の未来であるショータとザックが戦って、2日目は新日本vsAEW。ここで負けたらIWGPがアメリカに流出することになるからね。そこは大きなモチベーションになるよ。両方とも東京ドームのメインイベントではあるけど、意味が違った戦いになるよね」

――東京ドーム2連戦をIWGP世界王者として乗り越えて、2025年にやっていきたいこと、成し遂げたいことは描いていますか?

▼ザック「暦の上で1月は1年の始まりだから、そういう意味で東京ドームは大事だよね。新年という大きな節目でチャンピオンとして迎えるのが大きい。2025年こそザックイヤーにしたいよね。まだチャンピオンになって間もないからね。1年間を通してチャンピオンとして戦い抜いて、新日本の顔になりたいね。この(大会)ポスターだって僕がセンターになりたいよね。今年は勝ち取ったけど、来年は保持する戦いというのが真の挑戦になるね。東京ドームのメインイベントだって2年連続でやって勝った人はそんなにいないよね。それも成し遂げたいね」