ものまね芸人こいでまほがリアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 婚活ダイアリー』。

マッチングアプリはドハマりして大好きだった。ですが、マッチングアプリにこだわっていた理由はなんだろうと思いはじめました。いつからか、アプリで運命の人を見つけたい…それが私の使命…と、思い込みすぎていました。

今までにやったことがない「紹介」というものをチャレンジしてることにしました。

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■はじめての紹介

もう独身が周りに残っていないのと、友達と言える人があまりいないということもあり「紹介される」という経験がありません。そんな私ですが、たまたま知り合った方から紹介してもらえることになり、日程を決め、3人でお会いすることになりました。マッチングアプリとはなにかが違うかもしれないと期待を込めて…。

ほぼ同世代で有名企業の出世コースという方らしい。マッチングアプリ以外でそんな人が残っていたとは。「イケメンだし、高身長で仕事もできるし出世コースにいるよ、めちゃくちゃいいやつ」と聞いて、そんなおいしい話あるのかよ…と思いつつも少し期待。

実際の彼ですが、イケメン…というかタイムマシーン3号の山本さんに似ていて、高身長。たしかに仕事もできそうで、ハイスペックマッチングアプリTにいそうな雰囲気。なぜ独身なのだろうか? と疑問に思う容姿ではありました。

また、2人きりより3人いると会話も広がりやすいしそこはとても良い部分。私が芸人であることは伝わっていて安心し、そして過去の恋愛トークになった途端に、なんだか変な空気になったのを察しました。

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■トラウマ発症

「前、CAの子と付き合ってたんだけど…うーん、ちょっとね、合わなくて」。元カノCA。過去は所詮過去。ですが、元カノは私とは真逆の人間っぽい、まぁ勝手な偏見ですが。「結婚してもいいかなって思って、同棲もしたんだけどね…」。どうして、結婚しなかったのか非常に気になる。

「例えばさぁ、仕事から疲れて帰って来たら、部屋とかちゃんと片付けておいてほしいんだよね」「料理とかもやっぱしててほしいし、あんましない人でさ」「洗濯物とかも、ちゃんと畳んでなかったり」。この時点で私は耳が聞こえなくなるくらい、トラウマが発症していました。

そう、元カレ・えびおくんとの日々。汚部屋だった私は、プロにまでお願いして片付けをして、それをキープしたのに。料理は毎回、肉を食べるなら鶏肉のみ、納豆菌に気をつけろ、コンビニブランドの水は飲むな、身体にいい料理だけを作るというルールを守り、洗濯物もUNIQLO店員の畳み方を教え込まれた。なのに、別れた。

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■モラ男?

「その彼女さん、忙しかったんじゃないですかね、毎日、部屋を片付けるのは私もできません」。すると彼は「うーん。でも、やっぱ家では癒されたいし、そこはわかってもらえないと…」。

「料理、私はしますけど、料理ってめちゃくちゃめんどくさいんですよ、スーパーに行ったり献立考えたり」「でも、こっちは稼いできてるからねぇ」。なんだなんだ? モラハラか? 負けてたまるかと、えびおとこの彼を重ねていました。

「家事は一切しないんですか?」と聞くと、「一切ではないですけど、できたらやってほしい」との答え。これが彼の望みなら仕方ない。ここで揉めるつもりもない。するとモラ男(仮)が、こう続けました。「あとねぇ、これが男なんだってのをわかってもらわないとね…」。彼が話す「これが男なんだ」話で、また感情ヒートアップしてしまうとは…。

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■「行かない男は、本当の男じゃない」

後半、彼は「やっぱり、男っていう生き物を理解してほしいよね。男と女は違うからね」と同じ言葉ばかり言っていました。いったい何の話? 男と女は脳が違いますよね~など適当に合わせていると「脳っていうか、やっぱ性欲がね、あるから」。

え、それって浮気は許してってこと? は? 「いや、浮気っていうかさぁ、大人のお店くらいは許してほしいよね」。私、固まったと思います。結婚しても行く人がいることはわかってますが、初対面のデートでわざわざ言うほど譲れないこと?!

「行くんですよ、普通は。行かない男は、本当の男じゃない、絶対」。そうなの? えびおくん行かなかったけど。今までそういう彼氏と付き合ったことないですけど、と、反論してみると「それは、変わり者だと思う、ヤバいやつ」。

価値観がわからない、私が幼いのだろうか。この人やっぱりモラ男(決)? 元彼女にもそうやって圧かけていたのだろうか。

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■反論

なんでこっちばかり我慢しなくちゃいけないの? 怒りが湧いてきました。女は言いなり? 料理洗濯して待ってろってか? 私は、元彼女さんも憑依させ、大反論しました。

「じゃあ、こっちも行きますね」。「は、はい?」とモラ男。「私も、行きますね♡ 女性のための大人のお店。今、話題になってるから行ってみたいんですよぉ。いいですよね? 対等ですよね? そちらが行くし、こっちも行くってだけです。楽しみだなぁ! けっこう可愛いイケメンもいるみたいですし!」。

スイッチが入ってしまって倍速でまくし立ててしまいました。どう言い返すんだろうとドキドキしていると「やっぱ、おもしろいですねぇ、あははは」。いや、笑わせてないから、怒ってるから。「お互い、週1くらいのペースにする? 今日の人、ハズレだったー! ってLINEするね」。

私は本気で言っていますが、笑っている彼。そして、この場を用意した知り合いは「いやぁ、もう夫婦喧嘩が始まってるねぇ、お似合いお似合い」と、のん気でした。今日のこの紹介、お互いにタイプじゃなかっただけなのかもしれません。

■アプリに舞い戻る

それにしても、どこからが彼の言う「本当の男」なのか、どこまでが「モラハラ」なのか、まったくわからない、もうすべてがわからなくなった時間でした。わかったことがあるとしたら、出会いの形はなにも関係ない。ということでした。

恐らく今日まで人と会いすぎて少し疲れていたのかもしれません、ペースを落としながらまたマッチングアプリに戻っていきました。

とにかく楽なスタイルにしようと、AIにまた探してもらうことに。すると、とっても良い人に出会い立ち直れる言葉をもらって号泣? 私、キレるか泣くしかしてないけど、大丈夫か? 続く!

こいでまほ

太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。

(文/Sirabee 編集部・こいで まほ