関西出身の大橋和也、高橋恭平、道枝駿佑、藤原丈一郎、大西流星、西畑大吾、長尾謙杜の7人で結成されたアイドルグループ「なにわ男子」。2021年11月に「初心LOVE」でCDデビューを果たした彼らは、アイドルらしいキラキラ感と軽快なトーク、個性豊かなキャラクターで人気を拡大中。11月30日、12月1日には、初の海外公演となるアジアツアー「Naniwa Danshi ASIA TOUR 2024+2025“+Alpha”」を台湾でスタートさせ、年明けに韓国、中国へと続くほか、日本の映画館でのライブビューングも決定している。
国内のみならず世界を舞台にアイドルとして輝く彼らだが、俳優としての道も着実に切り開いている。12月6日に公開された『劇場版ドクターX』を皮切りに、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(公開中)、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(12月20日公開)、『室町無頼』(2025年1月17日公開)となにわ男子出演作が続き、年末年始の映画館を盛り上げる!
■俳優として歩み始めたなにわ男子たち
【写真を見る】『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で、デビュー後映画初出演を飾る大橋和也 / [c]2024映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
ドラマ「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」や「消しゴムをくれた女子を好きになった。」への出演をはじめ、バラエティ番組やCMとマルチに活躍する大橋和也。なにわ男子のリーダーを務める大橋は、人気児童書シリーズの実写映画化となる『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』でデビュー後映画初出演を果たす。
天海祐希演じる紅子が店主を務める駄菓子屋「銭天堂」で売られている、願いを叶えるふしぎな駄菓子に翻弄される人々を描く本作。大橋は、騒動に巻き込まれながらも、大切な人々を守るために奔走する青年を等身大で演じている。出演に際し、大橋は「『映画のオファーきた!』ってガッツポーズしましたね。とてもうれしかったです」と喜びを爆発させ、さらに自身が演じる、自分に自信がない新米教師、小太郎について「僕も自信はないけどファンのみんなを喜ばせたい、と通ずるものがありました」と共通点を明かした。
高橋恭平が映画初主演を務めた青春ラブストーリー『なのに、千輝くんが甘すぎる。』 / 『なのに、千輝くんが甘すぎる。』通常版 DVD:4,620円( 税込) 発売・販売元:松竹 [c]2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会 [c]亜南くじら/講談社
山川直輝と朝基まさしによる同名マンガを実写化し、今年3月には映画も公開された「マイホームヒーロー」に出演した高橋恭平。本作は、娘を守るために半グレ組織の1人を殺害したことで大きな犯罪に巻き込まれていく中年サラリーマン、哲雄(佐々木蔵之介)を主人公にしたクライム・サスペンスで、高橋は、殺人の隠蔽を謀る哲雄を疑い、執拗に追い込んでいく組織の若きリーダー格、間島恭一を演じた。物語が進むにつれて哲雄との関係も変化していくが、その心境を巧みに表現して見せた。
一方、映画単独初主演となった『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(23)では学校一のイケメン男子、千輝くんを完璧に再現。失恋したばかりのヒロイン、真綾(畑芽育)と繰り広げる“片想いごっこ”では、膝枕やお姫様抱っこ、バックハグなどキュンキュンしてしまうシチュエーションを次々と展開し、思わずドキドキさせられた。
2022年にドラマ「金田一少年の事件簿」で主人公である名探偵、金田一一役を演じた道枝駿佑。これまでに堂本剛、松本潤、亀梨和也、山田涼介と事務所の先輩が演じてきた金田一。山田からバトンを受け継ぎ、5代目金田一に抜擢された道枝だが、「金田一少年の事件簿N(Neo)」の山田を見てジャニーズ事務所を目指したという過去が。本役は彼にとって念願の役であったことは間違いない。
また同年7月に公開された、眠ると記憶がリセットされてしまう「前向性健忘」を患った女子高生と、大きな秘密を隠し持ちながら彼女を献身的に支える同級生男子の儚くせつない恋愛を描く『今夜、世界からこの恋が消えても』で映画初主演を飾った。道枝扮する神谷透は、嘘の告白によって付き合うことになったヒロイン、日野真織(福本莉子)と交流を深めるうちに心惹かれていくが、彼女を大切に思うがゆえに、透はある大きな決断をする…。本作で道枝は、過去に眞栄田郷敦や成田凌、岡田健史らも受賞した第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞「石原裕次郎新人賞」に輝いた。
■『劇場版 忍たま乱太郎』には2人がゲスト出演!
グループの最年長で、副リーダーを務める藤原丈一郎。彼が演じた役のなかで特に印象的なのは、ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と。」の米澤大地だろう。本作は、山田裕貴が主演を務める、未来へのループに突如巻き込まれてしまった電車の乗客68名の姿を描くヒューマンドラマ。藤原は、乗客イチの愛されキャラを好演。幾度となく場の雰囲気を和ませてきた明るく口達者な米澤が、殺伐とする車内の人々へ争いを止めるよう涙ながらに叫ぶシーンは、多くの人の心を動かした。
そんな藤原は、人気アニメの映画3作目となる『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』にゲスト声優として出演。今作への出演に際し、「まさか自分たちが声優として『忍たま乱太郎』の世界に入れるとは思ってもみなかったので、とても楽しみにしています」と想いを語った藤原は、忍術学園の卒業生で、山田先生の息子である山田利吉と共に忍務にあたる頭脳派忍者、若王寺勘兵衛を演じる。
”本気の恋”に向き合う6人の男女の恋愛模様を描く『恋を知らない僕たちは』 / 映画『恋を知らない僕たちは』Blu-ray&DVD 2025年2月14日(金)発売 発売・販売元:松竹 [c]2024「恋を知らない僕たちは」製作委員会 [c]水野美波/集英社
大西流星は、ドラマ「夢中さ、きみに。」、「彼女、お借りします」や『恋を知らない僕たちは』(24)と漫画原作の作品に多く出演している。映画初主演作となった『恋を知らない僕たちは』では恋より友情を取ってしまう主人公の英二を演じ、親友の彼女となった幼なじみに密かに想いを寄せる、彼のせつない心情を表現。原作を再現すること、を意識しながら役にアプローチしたと話す大西は、少女漫画ならではの胸キュンシーンを完璧に再現してみせた。
そんな大西は、藤原同様、映画オリジナルキャラクターの桜木清右衛門役で『劇場版 忍たま乱太郎』に出演。声優初挑戦となる大西だが、「一つひとつが新鮮で、新しい経験をさせていただきました。短い時間でしたが、得るものが多かったですし声優のお仕事が楽しかったです」と楽しさを滲ませていた。同作ではなにわ男子の新曲「ありがとう心から」が主題歌に決定しているほか、アニメスタート時から30年にわたり歌い継がれてきたテーマ曲である「勇気100%」の歌唱も担当する。
■医療ドラマ、歴史大作でも存在感を放つ
デビュー前から連続テレビ小説「ごちそうさん」、「朝が来る」を筆頭に映画や舞台に出演している西畑大吾。2023年に公開された、現実世界と仮想世界という2つの空間で巻き起こる恐怖を描くホラー『忌怪島/きかいじま』では、主人公でコミュニケーションが苦手な天才脳科学者の片岡友彦を熱演。閉ざされた島を訪れたVR研究チームのメンバーたちに次々と不可解な死が襲いかかるなか、恐怖の真相を明かすべく奔走する片岡を、アイドルとしてのキラキラとした姿を封印し表現した。
また、米倉涼子主演の人気ドラマシリーズ初の劇場版となる『劇場版ドクターX』では、東帝大学病院に配属となる研修医、東村練として参加。本シリーズの生みの親であるエグゼクティブプロデューサーが、過去に西畑をドラマ「五年目のひとり」で起用したことがきっかけで今回の出演が決定。「ドクターX」シリーズに初参加となる西畑は、“御意”一択の組織の文化に戸惑いながらも、一人前の医師を目指し、成長していく姿をフレッシュに演じたほか、スピンオフドラマ「ドクターY~外科医・加地秀樹~」では、研修医となる前の医学生時代を演じ、劇場版とは異なるキャラクターを演じ分けた。
一人前の医者を目指す研修医、東村練を好演(『劇場版ドクターX』) / [c]2024「劇場版ドクターX」製作委員会
森絵都による小説「カラフル」を原作とする『HOMESTAY』で初主演を務めた長尾謙杜。演じたのは、死んでしまった高校生、小林真の体に“ホームステイ”することになった主人公シロ。「本来の小林真」と「シロの魂が入り込んだ小林真」という正反対な2人を表情の演技により演じ分けた。また、高橋一生がタイトルロールを演じ人気を博したドラマシリーズの劇場版となる『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(23)に、露伴の青年期役として出演。“完成される前の露伴”のイメージにぴったりだ、ということでキャスティングされた通り、どこかあどけなさが残りながらも憂いを帯びた若き頃の露伴を演じきった。
そんな長尾は、時代劇アクション『室町無頼』への出演を控えており、主演の大泉洋演じる蓮田兵衛との出会いを通じ、成長していく青年、才蔵に扮する。日本の歴史のなかで初となる、武士階級として一揆を起こした人物の戦いを描く本作で、大泉をはじめとする出演陣は、本格的なアクションシーンに挑戦。六尺棒を武器に“無敵の棒術”を身につけ戦う才蔵を演じるにあたり、棒を毎日100回以上振る特訓に励んだと明かす長尾は、本作で超人的な棒術アクションを見せている。
大泉洋扮する兵衛に拾われ、身も心も成長する才蔵に抜擢された長尾謙杜 / [c] 2016 垣根涼介/新潮社 [c]2025『室町無頼』製作委員会
歌にダンスといったアイドル活動にとどまらず、メンバー一人一人が俳優として着実にステップアップしていることが伝わってくるいま、なにわ男子にとっても、彼らを応援するファンにとっても重要な瞬間になっているに違いない。俳優として躍進する彼らを、劇場で観届けてほしい!
文/サンクレイオ翼