山形県と言えば「板そば」だ。どんな蕎麦なのかというと、“杉の板で作られた浅い箱に盛り付けられている蕎麦” のことを指し、蕎麦自体は様々であるという。
つまるところ、「ざるそば」が「ざる」に盛り付けられているのに対し、「板そば」は「板(で作られた箱)」に盛り付けられている……みたいな感じらしい。
では「もりそば」は「もり(?)」に盛り付けられているのかと言えば、そうではない。もりそばば基本的には四角の「せいろ」に盛り付けられている。
それゆえ、「天せいろ(天ぷらせいろ)」や「鴨せいろ(鴨南蛮せいろ)」などのメニューもあるが、私の働いていたお蕎麦屋さんでは、天せいろも鴨せいろも、蕎麦は「せいろ」ではなく「ざる」に盛り付けていた。
ちなみに「ざるそば」と「もりそば」の違いについて女将さんに聞いたところ、「海苔があるのがざるそば、海苔がないのがもりそば」と教わった。
この「もりそばとざるそばの違い」について調べ始めると、本当に諸説ありまくるので、わたし的な結論としては「店や人の判断よる」で良いのではないかと思っている。
そんなこんなで「板そば」の調理とまいろう。
デカい鍋に湯を沸かし……
約8分ゆでて……
「せいろ」に盛ってしまったが、ハイ、完成。
して、そのお味は──
これはけっこうパワフルだ。ハンバーガーで言うならビッグマック的な。
小麦感がすごい。なんなら「うどんかな」ってくらいの小麦感。でも蕎麦。
見た目は蕎麦。食べたらうどん。しかし続けて食べていると、平たい形状の蕎麦の食感によりまた「蕎麦だな」となる。
蕎麦とうどんの境界線を、行ったり来たりしているような、実に面白い蕎麦である。
小麦感は強いけど、そこまで家家(いえいえ)した家ではない。
かといって蕎麦蕎麦もしていないし、外外(そとそと)した蕎麦でもないが……。
ジャッジが非常に難しいが、チョイキビ判定で「ギリ家」かな〜と思う。モリモリ食べたい時に。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24