大マゼラン銀河にあるタランチュラ星雲の中心にある「かじき座30」をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。大マゼラン銀河は私たちの住む天の川銀河の伴銀河で、かじき座の方向、17万光年の距離にあります。
かじき座30は、天の川銀河の近くにある中で最大級の星形成領域です。天の川銀河には、かじき座30ほど星形成が活発な場所は知られていません。
画像の幅は650光年ほどの距離で、画像内にある全ての星を合わせると、太陽の数百万倍になるほどの星が映っています。そこには、まだガスと塵の繭に包まれた状態の数千歳ほどのごく初期の星から、超新星爆発を起こしてまもなく死ぬ運命の大質量星まで、さまざまな星が存在しています。
画像の中で最も明るく見えるあたりは、年齢200万〜300万歳、およそ50万の星からなる巨大な若い星団NGC 2070です。「RMC 136(R136)」として知られるその星団の中心部には、質量が太陽の100倍以上もある、近隣の宇宙で見つかった中で最も重い星がいくつか含まれています。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(1990年4月)22周年を記念して、2012年4月にリリースされました。ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)に加え、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡のデータも組み合わせつつ作られた画像です。
オリジナル画像は20,323×16,259ピクセル、ファイルサイズが640MBほどもある巨大なものです。下のURLのページでは、ウェブブラウザ上でスムースに拡大しながら詳細を見ることができますので、興味のある方はぜひご覧ください。
https://www.spacetelescope.org/images/heic1206a/zoomable/
Image Credit: NASA, ESA, D. Lennon and E. Sabbi (ESA/STScI), J. Anderson, S. E. de Mink, R. van der Marel, T. Sohn, and N. Walborn (STScI), N. Bastian (Excellence Cluster, Munich), L. Bedin (INAF, Padua), E. Bressert (ESO), P. Crowther (University of Sheffield), A. de Koter (University of Amsterdam), C. Evans (UKATC/STFC, Edinburgh), A. Herrero (IAC, Tenerife), N. Langer (AifA, Bonn), I. Platais (JHU), and H. Sana (University of Amsterdam)
https://hubblesite.org/contents/media/images/2012/01/2942-Image.html
https://www.spacetelescope.org/images/heic1206a/