兵士たちを守るための機能服であるべきフライトジャケットは、時代とともに革から化学繊維へとその生地を変化させていく。両者ともにそれぞれの魅力があるのは百も承知で、ここでは、フライトジャケットの“原風景”とでも呼ぶべきレザー製の飛行服にスポットを当てたい。
フライトジャケットの原風景への誘い
プロペラからの風圧や撒き上げた潤滑油からパイロットを保護すべく作られ、当初は簡素なものであった飛行服。機体の高速化などの影響から徐々に防寒性を求められるようになり、1927年に夏季を想定したライトゾーン対応モデルとしてアメリカ陸軍航空隊により初めて制定されたのがA‒1フライトジャケットだ。その後継にあたるA‒2も同様だが、使用された素材はおもに強度としなやかさを兼ね備えたホースハイドが主流だった。
このようにレザーから始まったフライトジャケットの素材は、以降B‒9やB‒15といったコットン製、L‒2やN‒3のようなナイロン製と、時代とともに変遷していく。壮大なフライトジャケットの歴史を眺めたとき、こと「原点」という意味に限ってはレザー製こそが解であり、フライトジャケットの原風景を堪能できる唯一の存在。男のロマンに浸るならば、これほど適任なプロダクツもそうないだろう。
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1.TYPE A-2 REAL McCOY MFG. CO.
A-1の後継として1931年に制式化され、累計20万着もの生産記録が残る「史上最も大量生産された」レザージャケット。リアルマッコイズが正規コントラクターだったらというユニークでリアリティのある設定のもと、最高峰の技術を集約して製作。26万4000円