恵比寿のエステサロンで働いている晴乃。お客様の中でも港区女子のまひなは、同い年の晴乃を見下し顎でこき使う。1カ月の食費と同じ金額を一瞬で使う彼女に格差を感じながら、晴乃は夢のためにぐっとこらえている...

憧れの先生も「パパ活」していた?

 煌びやかなネオン街から少し離れた、隠れ家的な静かな場所にぽつんと立つビルの前であった。

 ――パパ活ってこと? あの友梨佳先生が…?



パパ活の噂は本当?(写真:iStock)

 愛人稼業のようなものだろうか。

 確かに考えてみれば、いちエステサロンオーナーにもかかわらず、芸能人や経営者など彼女の人脈は多岐にわたっている。パートナーはいないと言うが、そこはかとない色気もある。背景がそうだったとしても不思議ではない。

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確かに「パトロン」がいてもおかしくない…

 友梨佳は母親に女手一つで育てられ、貧しい幼少期を送っていたと以前サロン紹介のインタビューで語っていた。

 よく考えたら、そこから20代半ばで、恵比寿の一等地にこれだけのスタッフと広さを揃えた店を、腕一つでオープンすることができるのだろうか? 相当の実力があれど、パトロン的な人がいたと考えた方が自然だ。



パトロンの力を借りてのし上がったの?(写真:iStock)

「晴乃チャン、記憶なくさないうちに、LINE教えてよ~」

 いつの間にか、華やかな狂騒の中に晴乃はいた。隣には、パリッとした高級スーツに身を固めた、自称40代の初老のおじさんが密着している。

 まひなは離れた席で男の肩にしなだれ、助けを呼べる雰囲気ではなかった。