「ガンダム」シリーズには、兵器でありながら「戦い」以外の方法で戦闘を終結させた特異なモビルスーツが存在します。



「HGUC 1/144 RX-93 νガンダム (機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

【画像】えっ、地球外生命体と融合ってマジ? こちらが『ガンダム』「平和的解決を実現」した機体です(5枚)

超常現象引き起こした?

「ガンダム」シリーズには、多種多様なMS(モビルスーツ)が登場し、とくに主人公が乗る機体は高い戦闘能力をもってして、戦いを止めてきました。一方で、兵器でありながら「戦い」以外の方法で戦闘を終結させた機体も存在します。

νガンダム『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』

 まず紹介するのは、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場し、シリーズ最初の主人公であるアムロ・レイが最後に乗り込んだ「νガンダム」です。

 背中に背負った「フィン・ファンネル」が目を引くデザインで、主役機で初めてのサイコミュ武装搭載のMTでもありますが、それ以上に特筆すべきは「サイコフレーム」の存在で、これが奇跡を起こしました。

 ネオ・ジオンの総帥「シャア・アズナブル」は人類を粛清すべく、小惑星アクシズを地球に落とそうと画策。アムロが乗るνガンダムは、地球に向かって落下を開始していた小惑星「アクシズ」を押し戻そうとし、さらに地球連邦軍のみならずネオ・ジオンのMSまでも地球を救うため、アクシズを押し戻そうと手を取り合います。

「νガンダムは伊達じゃない!」というアムロの声に応えるかのように、νガンダムは謎の光を発し、阻止限界点を越えたはずのアクシズを押し返しました。

 のちにこの現象は、宇宙世紀において「アクシズ・ショック」と呼ばれ、その発生理由には諸説ありますが、サイコ・フレームが大きく関係していることだけは間違いないでしょう。

「ダブルオークアンタ」『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』

 次に紹介するのは『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場する「ダブルオークアンタ」です。

 純粋種のイノベイターとして覚醒した「刹那・F・セイエイ」のために開発された機体で、イノベーターの能力に反応し、GN粒子を最大限に放出する「クアンタムバースト」が搭載されています。

 それは設計者であるイアンにも想像がつかないほどの未知数な機能ですが、「ダブルオーライザー」で地球外生命体と意識共有を試みたときの失敗を糧に、改良が施されていました。

 地球外生命体・ELSとの戦闘時、刹那は「クアンタムバースト」を用いて対話に成功し、人類はELSとの共存の道を歩むことになりました。

「ガンダム・キャリバーン」『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

 最後は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場した「ガンダム・キャリバーン」です。主人公「スレッッタ・マーキュリー」がシリーズ終盤で乗り込んだ機体です。

『水星の魔女』には、「パーメットスコア」と呼ばれる性能指標があり、数値が高いほど機体性能が向上する一方、パイロットにかかる負荷が増加し、スコア4を超えると生命の危険が伴います。

「ガンダム・キャリバーン」は、高い「パーメットスコア」を発揮できる反面、それはパイロットの生命保護を一切設計しない設定であるためで、パイロットを喰らう「怪物」と恐れられるほど危険な機体でした。

 物語終盤、スレッタは命の危険を考慮せず、パーメットスコア8を超える無茶な選択を行い、その行動が無人ガンダムも共鳴させました。 この結果、キャリバーンのもとにエアリアル、シュバルゼット、ファラクトの3機が集結。4機のガンダムは極大のデータストーム空間を展開し、すでに発射シークエンスに入っていたレーザー送電衛星「ILTS」を強制停止させるという奇跡を起こしました。