オリバー・ベアマンやファン・マヌエル・コレアなど、多くの外国人ドライバーが参加したスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテスト。KONDO RACINGから2日目、3日目に走行したジェームズ・へドリーの参加経緯を、彼の“マネージャー”に聞いた。
ヘドリーはイギリス出身の21歳。イギリスのF4やGB3で活躍した経験があるものの、FIA F3に1ラウンドだけスポット参戦したのみということで、日本のファンには馴染みが薄いドライバーと言える。そんなヘドリーの来日には、彼のマネージャーが大きく関係している。そのマネージャーこそ、かつて日本でも活躍したアンソニー・リードだ。
リードは1992年、ファミリーマートカラーのラルトで全日本F3に参戦し、後のF1ドライバーであるジャック・ビルヌーブを下してチャンピオンを獲得。全日本F3000(現在のスーパーフォーミュラ)、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)、全日本GT選手権(JGTC)など様々なカテゴリーで活躍した。
「グレイ(ジェームズ・へドリーの父であるグレイ・へドリー)は私と同世代で、イギリスでは共にレースをしていたこともある。グレイが息子を必死に支えようとして、大金を注ぎ込んだと聞いた。だから私がここにいるんだ」
そう語るリード。F1へ正攻法でステップアップするには天文学的な額の資金が必要になるため、日本で活躍してF1へのチャンスを模索することも視野に入れているという。
「日本がF1へのある種の“裏口”になると考えた。スーパーフォーミュラは世界で2番目に速いシングルシーターだ。このシリーズはホンダとトヨタが支えているが、ジェームズが結果を出せば何があるか分からない。彼らはどちらもF1に関与しているからね」
そして日本でのチャンスを模索する中で、リードはGT選手権時代のチームメイトである近藤真彦のレーシングチームがあることに気付いた。そこから話が進んでいったようだ。
「ジェームズが走れそうなチームを探している時、KONDO RACINGが近藤マッチのチームだと気付いた。それで彼に写真を送って……色々頑張ったよ!」
「そして、彼らが日本の文化に慣れるサポートをするために、ジェームズとグレイと一緒に日本に行くべきだと思った。彼らはスペインより向こう側に行ったことがないんだ。ミハエル・クルムとも連絡をとって、日本のレースシーンについて勉強した」
近藤監督、そして日本のレースでの思い出について、リードはこう回想する。
「JGTCに、先日亡くなったリッキー千葉(千葉泰常氏)のタイサンから参戦していた時、1994年と1995年のチームメイトがマッチだった。一緒に何度もレースで勝った」
「彼とは29年ぶりに再会したけど、最高だったし、戻って来られて良かった。鈴鹿も全く変わっていないね。でも130Rは変わったかな。前までは“男のコーナー”という感じだったが、今はコーナーではないね(笑)」
なおヘドリーは、テスト2日目は19人中16番手、ルーキー枠の3日目は12人中9番手という結果だった。