画像はAIで生成したイメージ
埼玉県在住の美奈子さん(仮名・33歳・結婚4年目)は現在、夫(37歳)の同僚A氏と不倫中。A氏と美奈子さんの夫は社内でも相容れないことで有名だという。
「何でもテキパキと効率的にこなす夫からすると、良く言えば慎重、悪く言えば要領が悪いAはイラつく存在なんだそうです。でもふたりは同じチームなのでずっと一緒にいなければいけなくて、Aの存在は夫にとってストレスでしかないんですよね。夫は毎晩晩酌をしますが、肴は常にAの悪口です」
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酒の力もあるのだろうが、夫はA氏のことを散々こき下ろすらしい。
「言われたことしかできず、同じことをバカのひとつ覚えみたいにやり続ける…サルみたいなもんだよ。いつも他人の顔色をうかがってばかりで自分の意思がないから人形かも知れないな…グズだし、のろまだし、見た目も爬虫類みたいで気持ち悪いし、はっきり言って生きてる価値ないね。社長の身内かなんか知らないけど、いくらコネ入社とはいえ、あれはないわ」
…こんな調子なんだとか。
「私も最初は『何、そいつ!?』とか思ってましたけど、あんまり夫がボロクソに言うもんだから、『怖いもの見たさ』って言うんですか? かえって興味が湧いちゃったんです」
そう話す美奈子さんは、嫌がる夫を説得して夫の会社のBBQ大会に同行し、A氏と対面を果たした。
「『見ると聞くとは大違い』とはこのことか!と思いました。確かに、焼き係に徹して肝心のお肉を食べそびれるとか、酔っぱらって子供を放置している同僚の代わりに遊び相手になって川にハマっちゃうとか、損な役回りの人だなとは思いましたけど、見方を変えると真面目で思いやりがあるんですよね。周りのことを良く見ているから、いろいろな配慮ができる…と感心していたんですけど、実はそれどころじゃなかったんです。背は高いし、顔もK-POPアイドルみたいだし、よく見ると痩せマッチョでかっこ良くて、思わず惚れちゃいました」
妻も夫も不倫相手もウインウイン?
A氏をロックオンした美奈子さんは、夫のスマホからこっそりA氏のラインを入手。
「夫のことで相談がある」とメッセージを送り、ふたりだけで会う約束を取り付けたという。
「古典的なやり方ですけど、Aはちゃんと来てくれました。『相談はウソで本当はふたりきりで会いたかっただけ』と言ったときは不審そうな顔をされましたけど、話も弾んで、楽しい時間を過ごしました」
聞き上手で気が利くレディーファースト。「夫とは真逆」というA氏にさらに惹かれてしまった美奈子さんは定期的にA氏を呼び出すようになり、夫に隠れて食事やドライブなどのデートを重ねた。
「Aは、最初は苦手な同僚の妻である私を警戒していたんですけど、何の企み(笑)もないことが分かってからは急激に心を許してくれたような感じでした。『自分に否定的な男の妻が自分に好意を持ってくれている』ことに素直に感動したみたいで、気がついたら男女の関係になっていました。彼は夫に対して、私を寝取ってしまったという引け目と同時に優越感みたいなものを覚えるようになったみたいで、夫の嫌味や陰口が気にならなくなったと言ってるし、私も罪悪感から夫に優しくしてるせいか、夫も会社であまりカリカリしなくなったみたいです。3人共ウインウインの関係ってことでイイですよね(笑)」
…夫にバレた時の修羅場が怖い。
取材・文/清水芽々
清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。