12月15日、M-1グランプリ2024の決勝の審査員が発表され、新たに5名の芸人が審査員に加わった。今年は松本人志が不在であることから、誰がその代役となるのか、審査員にも大きな注目が集まっていた。
審査員大幅追加・変更の意図
12月15日に放送された特別事前番組『M-1グランプリ20回記念俺たちだって面白い!1万組のエントリー物語』(ABCテレビ)にて、今年のM-1の審査員の顔ぶれが発表された。
例年、7人体制を基本としていた『M-1グランプリ』の審査員だが、今年はなんと9人に。若林正恭(オードリー)、礼二(中川家)、山内健司(かまいたち)、塙宣之(ナイツ)、博多大吉(博多華丸・大吉)、哲夫(笑い飯)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、海原ともこ(海原やすよ・ともこ)、石田明(NON STYLE)となった。
去年からの変更点は、松本人志(ダウンタウン)と山田邦子、富澤たけし(サンドウィッチマン)が抜けて、若林、山内、哲夫、柴田、石田の5人が新たに加わったことだ。
「“松本の後釜を誰がするのか”ということが大注目され、各メディアや芸人の間でも予想合戦が飛び交う中、 “審査員増”という予想の斜め上をいく結果となりました。さらに審査員として定着していた富澤と山田がいなくなるというまさかの結果に。
これは、松本一人だけが抜けて、その代わりに誰か一人を入れると、“松本の代役”として注目され、その審査員に過度なプレッシャーがかかってしまうことを防ぐためではないかといわれています。また、審査員の人数を増やすことについても、審査員一人一人にかかるプレッシャーを少なくする意図があるでしょう」(テレビ局関係者、以下同)
実際、松本が抜けた今年の『キングオブコント2024』(TBS)では、審査員5人のうち、4人が点数の差をほとんどつけず、唯一、松本の代わりを任された飯塚悟志(東京03)だけが点数に幅を持たせる採点をしていた。
そんな飯塚だけが目立ってしまい、視聴者からの批判を一身に受けることになっていた。
今年のM-1の審査員のメンツを見ると、歴代M-1チャンピオンや、ベテラン漫才師、テレビの人気者などを集め、“関西・関東”と“吉本・非吉本”のバランスもとれている。
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有利になりそうな出場者は……
しかし、“芸歴”という観点では、中堅どころが集まった印象で、超大御所が審査をすることで“箔”をつけてきたM-1らしさがないとの声も多い。
ネット上ではその点に対して不満の声が続出している。
〈松ちゃん出せとは言わないけどやっぱいないと格落ち感ある せめてくりぃむ有田でもいたら印象違ったのにな〉
〈M-1グランプリ審査員、格が落ちたけど逆に怖さが増したな〉
〈審査員の格というより緊張感持たせられる人(厳しめの意見を言える人)がいて欲しいのはあったかな〉
〈言い方悪いけどこの審査員だと去年までのM-1みたいな格ではないよね〉
〈誰がダメと言うことではないけど、大ベテラン枠は2つは欲しいと思った。これだと今流行りの漫才が有利になっちゃう〉
「今回の審査員のメンツで思い出されるのが、2015年のM-1グランプリです。この年、M-1は5年ぶりに復活したのですが、審査員がそれまでの松本や島田紳助といった大御所たちではなく、歴代チャンピオンが務めました。
審査員に中堅芸人がズラッと座り“大御所不在”となった結果、大会に緊張感がなく例年よりも軽い印象になり、いまいち盛り上がりに欠けました。運営もその轍を踏まないためか、翌年からは松本、上沼恵美子、オール巨人らを呼んでいましたからね。今年はこの2015年とかなり近くなるでしょう」
そんな2015年のチャンピオンはトレンディエンジェル。軽快なリズムとハゲネタで見事に優勝したが、一部では“M-1チャンピオンらしくないネタ”とも囁かれていた。
「M-1では従来、営業で盛り上がるようなわかりやすいネタではなく、漫才として“話芸の極み”のようなネタが評価される傾向にありました。しかし2015年だけは5 年ぶりに復活したということもあてか、テレビの“バラエティで映える”ようなネタが好評を得た印象です。
もし今年も2015年のような雰囲気になるならば、デブネタのママタルトや、双子ネタのダイタクなど、わかりやすい“キャラ漫才”が有利になる可能性があります」