新米が流通し始めたにもかかわらず、一向に価格が下がらない問題で、一部の米農家から高止まりを歓迎する声が上がり、注目を集めている。
「今まで米価が安すぎました。高い価格に慣れてもらいたいです」
そんな書き込みがSNS上で話題になっている。投稿主は「今まで米価が安くても年金生産者達が支えていましたが今はリタイアが増え 若手に生産がかかってきました」と説明している。
実際、米価格は1993年の60キロあたり2万3607円をピークに下がり続け、ここ10年は1万3000~5000円台に。生計が成り立たず廃業を余儀なくされる農家が増えている。農林水産省のデータによると、米を生産する個人農家は2000年に174万戸だったのが、2020年は70万戸弱と激減。加えて50歳以下は約1割と高齢化が進んでいるのだ。
米の消費減が続く中で農家に利益が残らなければ、今後も米の価格は下がらないのかもしれない。
SNS上には、こんな声が寄せられている。
《農家さんが継続可能な価格で出荷してくれればいいのでは》
《今までの米価がおかしすぎた。もはや値上がりは仕方ない》
《国産米が希少になってしまわないよう値上げは当然のことと理解している》
とはいえ、1年間で価格が60%も上昇したら、多くの消費者にとって戸惑いの方が大きいのもたしか。ましてや大量の米を消費する外食業にとっては致命的だ。せめてもう少しソフトランディングできないものか。
あらゆる商品が値上げする中、ついに米にもその波が押し寄せてきたわけだが、もはやかつての価格を期待してはいけないのかもしれない。さらなる米離れが進まなければいいが…。
(ケン高田)