「休むために仕事をしている」と言い切るマイクロソフトのエリートが瞬時に見抜く「成果につながる努力」と「ムダな努力」の違いとは

最短の時間と最小のエネルギーで、最大の成果を出すために必要なことは、業務処理能力が高いことではない。その努力が成果につながるかどうかを「見極める能力」だという。マイクロソフト社の会議術を例に、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」という考え方を解説する。

本記事は書籍『世界の一流は「休日」に何をしているのか』を一部抜粋・再構成したものです。

世界の一流はどんな働き方をしているのか?

マイクロソフトのエグゼクティブが、「休むために仕事をしている」と言い切れる背景には、仕事の生産性を高めるための効率のいい働き方があります。

仕事のムダを省いて、最大限の成果を生み出す工夫をしているから、きちんと休みを取ることができるのです。

世界のトップ企業のエリートたちは、どんな働き方をしているのか?

彼らの一般的な平日の過ごし方を紹介します。

日本企業では、出社時間が遅いことを「重役出勤」などといいますが、マイクロソフトのエグゼクティブは、例外なく早朝から仕事をしています。

朝5時くらいから自宅で仕事をしたり、午前7時には出社して働き始めています。仕事を終えるのは、ほとんどが夕方5時前後で、早い人は夕方4時には会社を出て自宅で家族と過ごしています。

マイクロソフトはグローバル企業ですから、アジアやヨーロッパなど、アメリカとは時差があるエリアを担当している人は、寝る前にメールをチェックしたり、30分程度のオンライン会議をしてから、夜9時〜10時には就寝しています。

エグゼクティブが土日に出社することは、まずありません。

序列が上になればなるほど、休む時間は多くなる傾向があります。

日本企業では、管理職が率先して休日出勤をする習慣が残っていますが、マイクロソフトでは、想定外の大きなトラブルでも起こらない限り、上層部や管理職が会社に出てくることはありません。

これは一般社員を含めての話ですが、マイクロソフトでは、土日にきちんと休むだけでなく、遅い時間まで残業して働いている人もほとんどいません。

裁量労働制によって働く時間や給料が決まっており、コアタイムもなく、自分の好きな「時間」に、好きな「場所」で、「自由」に働く環境が整っているためです。

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短い時間でスマートに仕事をしている

欧米企業には、時間外手当のようなものが存在しないため、どんなに遅くまで働いても金銭的なメリットがありません。

メリットがないどころか、土日に働いたり、遅い時間まで仕事をしていると、周囲から「仕事が遅い人」と見られて、評価を落とすことになるのです。

日本企業では、休日出勤や徹夜仕事をしている人に対して、「頑張っている」とか、「仕事熱心」と高評価する風潮が残っていますが、欧米企業では、「そこまで時間を使わないと、成果が出せないのか……」とみなされて「仕事が遅いダサい人」という評価が下されます。

世界のグローバル企業はジョブ型の評価制度ですから、「あの人は短い時間でスマートに仕事をしているのに、すごく成果を出しているね」といわれるような人が、高い評価を受けることになるのです。

欧米企業では、働く時間の長短が問題にされることはなく、仕事の「成果」が出なければ、会社をクビになるのが一般的です。

多くのグローバル企業は、成果主義を採用しています。

エグゼクティブも含めて、成果が出ないと、職を退くよう勧告されています。評価の基準は、働く時間や仕事との向き合い方ではなく、あくまでも成果を上げているかどうか……にあります。

このあたりも、日本企業とグローバル企業の大きな違いといえます。