「休むために仕事をしている」と言い切るマイクロソフトのエリートが瞬時に見抜く「成果につながる努力」と「ムダな努力」の違いとは

マイクロソフトで徹底されている「ドゥ・モア・ウィズ・レス」という考え方

マイクロソフトでは、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」(Domorewithless)という考え方が企業理念のように徹底されています。

日本語に訳すと「より少ない資源で、より多くのことに取り組む」という意味になります。

多くの労力を注ぎ込んで一つの成果を出すのではなく、少ないリソース、少ない時間、少ないエネルギーによって、より多くの成果を出す……ことを指していますが、それを最もスマートに体現しているのが、マイクロソフトの中枢を担っているエグゼクティブなのです。

彼らに突出しているのは「見極め力」だと考えています。

自分がタスクに注ぎ込むエネルギーと時間が、きちんと成果につながるかどうかを見極める能力がズバ抜けており、そこに彼らがエグゼクティブに抜擢されている一番の理由があるといえます。

彼らが最短の時間と最小のエネルギーで、最大の成果を出し続けられるのは、業務処理能力が優れているからではありません。

マイクロソフトには、それなりにIQの高い社員が揃っていますから、資料を5分で書き上げるなど、仕事が早い社員はたくさんいます。

エグゼクティブは、「成果につながる努力」と「つながらない努力」を瞬時に見抜くことで「ムダな努力」を切り捨てています。

見極め力とは、ムダな努力を素早く見抜いて、すぐに辞める能力……と言い換えることができます。

そのスピーディーな判断の連続が、より多くの成果を生み出すことになり、結果として働く時間が短くなるだけでなく、しっかりと休める環境を作り出しているのです。

日本人には「努力をすれば報われる」と考えるところがあり、目の前のタスクに無我夢中で取り組むことが求められますが、ビジネスの世界にも「重要な努力」と「ムダな努力」が存在します。

彼らは、クールな目でムダな努力を見極めて、重要な努力に全集中することで、たくさんの成果を上げているのです。

日常の仕事で最も時間を取られる「会議」と「資料作成」を例に上げて、彼らの取り組み方を紹介します。

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【会議】何も決まらない会議は「時間のムダ」と考えている

日本企業では、日常の仕事に占める社内会議の割合は「39%」と欧米企業に比べて多い傾向にあります。

「会議のための会議のための会議」が、会議全体の「60%」を占めている日本企業もあるほどです。

マイクロソフトのエグゼクティブは、「ムダな会議をやめる」ことと「やるべき会議をコンパクトにする」ことを重要視して、チームのメンバーにも徹底させています。

彼らの会議は、シンプルでスピーディーです。

①全員参加の「情報共有会議」はリモートで開催
②決定会議を主体にして、決定権者だけが参加
③アジェンダ(議題)が不明確な会議は開催不可
④発言のなかったメンバーは次回から参加不要

日本企業では、何も決まらず、会議の回数だけが増えてしまう傾向があります。

アジェンダ(議題)がない会議もあり、参加することが目的となっています。マイクロソフトのエグゼクティブは「何も決まらない会議は時間のムダ」とドライに割り切って、会議の回数と時間を大幅に短縮することを意識しています。