〈静岡・経営者死体損壊〉電動ノコギリで切断された遺体は焼かれて山中に、運んだワゴン車からウジ虫が…逮捕されたのは同級生の店長と従業員「魚が腐った」と言い訳

12月7日、静岡県警は静岡市の飲食店経営者、仁藤貴之さん=当時(30)=の遺体を損壊し、静岡県内の山中に遺棄したとして、死体遺棄と死体損壊の疑いで鈴木聖人容疑者(31)、三宅涼馬容疑者(27)、アルバイト店員の女(19)の3人を逮捕した。警察はさらに、逮捕された3人が仁藤さんの殺害にも関与した可能性があるとして、殺人容疑での立件も視野に捜査を進めている。

仁藤さんと鈴木容疑者は同級生、金銭トラブルか?

JR静岡駅の北口に広がる県内最大の繁華街。居酒屋やスナック、バー、キャバクラなどで賑わい、年の瀬の繁忙期を控えたこの街で、”夜の住人“たちの耳目を集めるニュースが駆け巡った。

事件について地元紙記者が解説する。

「被害者の仁藤さんと逮捕された3人はいずれも、静岡駅前の繁華街で仁藤さんが経営するバーなどを通じて知り合った仕事仲間でした。

鈴木容疑者はかつて仁藤さんと共同で飲食店を経営していたほか、事件が起きるまで仁藤さんの会社で役員を務めていました。三宅容疑者は鈴木容疑者の経営する飲食店の店長で、19歳の女は以前、鈴木容疑者らが経営する飲食店でアルバイトとして働いていたといいます」

仁藤さんの遺体が遺棄されたのは今年6月ごろとみられ、親族から行方不明者届が出されたことを受け、警察は内偵捜査を続けていた。しかし、被害者らが働いていた静岡市の繁華街では、“異変”についてウワサが流れていたという。

「仁藤さんや鈴木容疑者はこの辺ではよく知られた存在でした。夜職の人が集まるようなバーを経営していましたし、狭い街なので、顔見知りは多かった。しかし、夏ごろから『仁藤さんと連絡が取れない』とあちこちでウワサになっていたんです。

『鈴木容疑者らがカネで揉め、仁藤さんに何かしてしまったらしい』とも。心配していたところで事件のニュースが出たので、『あぁやっぱりな』という感じです」(飲食店関係者)

彼らの間に何があったのか。

「仁藤さんと鈴木容疑者は中学の同級生で、長い付き合いですが、2人の間に金銭トラブルがあったとみられています。2022年には、仁藤さんの会社が借りていた雑居ビルの区画で鈴木容疑者が飲食店を経営していましたが、火事を出してしまった。その結果、ビルのオーナーが、仁藤さんと鈴木容疑者に対し約6000万円の賠償金を請求する裁判を起こしています」(前出の地元紙記者)

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ワゴン車からウジ虫がわいた

巨額の賠償請求が事件の直接の引き金になったかどうかはまだ分かっていないが、影響は小さくないだろう。事件はどのように起こされたのか。

逮捕された3人は、ワゴン車を使用し藤枝市内の山中に遺体を遺棄したとみられている。

遺体は電動ノコギリのようなもので切断されたうえ、激しく焼かれた可能性があるなど、凄惨を極める状況だった。

捜査が大きく動いたのは、10月初旬にあった警察に寄せられた1本の通報だ。

「車内清掃を頼まれた車からウジ虫がわいている」

静岡県中部地区にあるカー用品店の関係者からの電話だった。ワゴン車の清掃を依頼された店が車を確認したところ、ウジ虫がわいており、不審に思って警察に通報したという。

警察は10月3日までにこのワゴン車を押収し、調べたところ、搭載されたカーナビのGPSに藤枝市の山中を転々としていた記録が残されていた。

この車は仁藤さんが日常的に使用していたものだったが、名義人は鈴木容疑者。さらに、カー用品店に清掃を依頼したのは、ともに逮捕された19歳のアルバイトの女だった。

19歳の女は清掃を依頼した店に対して「釣りをしたときのもので魚の血が付いた」「魚が腐った」などと説明をしていたという。