NBAカップ優勝まであと1勝のバックス。ヤニスは「僕らにとってここで大事なのは勝つこと。まだ終わっちゃいない」<DUNKSHOOT>

 現地時間12月14日(日本時間15日、日付は以下同)、「エミレーツNBAカップ2024」の準決勝2試合がネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催され、イースタン・カンファレンスはミルウォーキー・バックスが110-102でアトランタ・ホークスを撃破、ウエスタン・カンファレンスではオクラホマシティ・サンダーが111-96でヒューストン・ロケッツを下し、それぞれ決勝へと駒を進めた。

 初の決勝進出となったバックスは、ヤニス・アデトクンボが32得点、14リバウンド、9アシスト、4ブロック、相棒のデイミアン・リラードが25得点、6リバウンド、7アシスト、3スティール、ブルック・ロペスが16得点、2ブロック、ボビー・ポーティスが10得点、9リバウンドで勝利に貢献。

 ディフェンスではトレイ・ヤングに35得点、10アシスト、ジェイレン・ジョンソンに15得点、10リバウンド、4アシスト、ディアンドレ・ハンターに15得点、7リバウンドの活躍を許したものの、第4クォーター残り2分35秒にクリント・カペラのアリウープダンクをアデトクンボが絶妙なタイミングでブロック。

 この場面でバックスは5点リードしていたが、直前のオフェンスでターンオーバーを犯していた。もしダンクを決められていたらワンポゼッション差となっていただけに、試合の展開を左右するビッグプレーとなった。
  攻守両面で圧巻のパフォーマンスを見せた大黒柱のアデトクンボは、試合をこのように振り返った。

「試合に勝つために必要なことなら何だってやる。それができて嬉しいよ。そのことがチーム全体へ浸透していくと僕は思っているからね。こうした試合を締めくくるために必要なことをやらなきゃいけないんだ。チームメイトたちのことを誇りに思うよ。スタートから、僕らは競い合うためにここへ来たんだという雰囲気を示せた」

 昨季は準決勝敗退に終わったものの、バックスは2大会で11勝1敗(今年は6戦全勝)と見事な戦績を残しており、17日に行なわれる決勝でサンダーを下せばNBAカップ王者の称号を手にすることができる。

「ここにやって来た僕らにとって大事なのは勝つこと。いまチーム内ではそれが重要なメッセージになっている。みんなが集中力を保てているし、全員がそれを維持していかないといけない。まだ終わっちゃいない」(アデトクンボ)

 昨年のカップ戦はロサンゼルス・レイカーズが初代王者に輝いたものの、プレーオフではファーストラウンドでデンバー・ナゲッツに1勝4敗で敗退。そのレイカーズと決勝で対戦したインディアナ・ペイサーズは、ポストシーズンでカンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだが、リーグ制覇には手が届かなかった。
  82試合のレギュラーシーズンを戦い抜き、チームが出来上がった段階で迎える4戦先勝シリーズのプレーオフに対し、カップ戦はシーズン序盤に行なわれ、準々決勝からは一発勝負のトーナメントと、フォーマット自体は大きく異なる。

 リラードは一発勝負のトーナメントについてこう話す。

「フォーカスすることが求められるんだ。自分たちの仕事をやり遂げなきゃいけいない。俺は(NBAカップが)プレーオフの経験と似ていると思う。どちらにせよ、やり遂げないといけないからね。時間が経つにつれて、カップ戦の重みも増していくと思う。そこで多くの人たちがこの大会についてもっと気にかけていくさ」
  惜しくも決勝進出は逃したが、今大会のダークホースとなったホークスのヤングは「カップ戦で自分たちがやったことはすごくいいものだったし、本当にスペシャルだった」とコメント。さらに「僕らが望むプレーがどんなものなのかわかったし、どんなテンポでプレーすべきかを見つけることができた。僕らは若いチームであり、この勢いを残りのシーズンでも持続させていけたらいいね」とこの経験をシーズンに活かしていくと語っていた。

 準決勝で激戦を演じたバックスとホークスは、どちらも今後に向けて手応えを掴み、自信を得ることができたようだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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