東野幸治率いる “東野登山隊”のガチ登山に密着した人気ドキュメントバラエティ『PEAK HUNT 東野登山隊』の特別編「JAPAN TRAIL〜塩の道トレイル編〜」が、動画配信サービス・FANYチャンネルなどで11月29日(金)から毎週配信されています。今回、登山隊は新潟県糸魚川市から長野県松本市まで続く全長約120キロのコース「塩の道トレイル」にチャレンジ。東野と隊員の庄司智春(品川庄司)を直撃し、“ロングトレイル”への初めての挑戦やその魅力について語ってもらいました。
出典: FANY マガジン
登山とは違うロングトレイルの魅力
数々の名峰にアタックしてきた登山隊が、今回は特別編として、東野たっての希望で初めてロングトレイルに挑戦。ロングトレイルとは、登頂を目的とする登山とは異なり、登山道や里山のあぜ道、ときには町中を歩きながら、その地域の自然や歴史、文化に触れる旅です。今回挑戦した「塩の道トレイル」は、かつて日本海で取れた塩を内陸へ運ぶために使われていた物流の道を舞台とした全長約120キロのコース。当初は途中の姫川温泉まで進むことを目標にスタートしました。
しかし悪天候により、いったんは姫川温泉まで到達することを断念。その後、東野、庄司、木村卓寛(天津)の希望で追加ロケを実施し、それぞれがリレー形式で120キロを完全踏破する形に変更されました。配信も、当初は全5話の予定が、全8話に大幅拡大されました。
――東野さんがロングトレイルに興味を持ったきっかけを教えてください。12月6日(金)に配信開始された第2話では、俳優の仲野太賀さんがYouTubeでロングトレイルに挑戦する姿を見て興味を持ったと話していましたが。
東野 もともと“世界のロングトレイル写真集”のようなものを見ていて、アラスカを2週間かけて300キロ歩くみたいなことを、面白そうだと思っていたんです。でもスケジュール的に2週間休めないと思っていたら、仲野太賀くんがYouTubeでやっていて、さらに興味を持ちました。
東野登山隊も年に1回配信をやらせていただくなかで、みんなのスケジュールが合わずに厳しい山に行くのが難しかったりするので、このタイミングで、まずは国内で行きやすいロングトレイルをやってみたいと思ったんです。
――今回初めて経験して、登山とロングトレイルの違いはどのように感じましたか?
東野 登山はやっぱり上に登っていく楽しさがあるし、景色もいいけど、そこで足をくじいたりしたら、泣き言を言わずに降りて行かなきゃいけないじゃないですか。誰も助けてくれない。よっぽどのことじゃない限りSOSは出せないんで。
でもロングトレイルの場合は文明の利器というか、最悪、自動車があるので(笑)。もう「無理だ」という人は、自動車に乗ってもいいし、お店に入ったり、コンビニに行けたり、休憩もできる。その安心感はありました。
あとはやっぱり、「昔の人がこの道を通った」という歴史を感じる面白さが土台にありましたね。
出典: FANY マガジン
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何も考えないのが気持ちいい
――新潟県糸魚川市にある「塩の道資料館」にも行っていました。いつもの登山とは異なり、町の人との触れ合いがありましたね。
東野 そうですね。資料館の方とお話しして、実際に歩荷(ぼっか=荷物を背負って運ぶ労働者)さんの荷物を持たせてもらいましたけど、やっぱりビックリしたというか。「あんなん、よう持って行ったな。すごい仕事なんだな」と改めて思いました。庄司さんはどうでした?
庄司 僕は、登山だと標高が上がると涼しくなっていくんですけど、ロングトレイルではアスファルトの熱さがあって、汗の量は登山よりも多くなりました。始まる前は「ロングトレイルだから、楽勝っしょ」という空気があったんですけど、とんでもなかったです。厳しい感じでしたね。
――舗装された道を歩くのは負担が大きかった?
庄司 そうですね。あと、山道に入ったり、アスファルトでも地味に坂になっているところがあったりして、足腰への負担がありましたね。
出典: FANY マガジン
東野 やっぱりアスファルトって負担がかかるんですかね。別に荷物が重いわけでもないのに、不思議です。だから道中でも喋っていたんですけど、24時間テレビの100キロマラソンでよく歩いているじゃないですか。あれを見ていたら、大したことないじゃないですか(笑)。
庄司 「いけるかな?」って思いますよね(笑)。
東野 「できるでしょう」ぐらいの感覚だったんですけど、「あれ? 大変やな」って。初めて尊敬の念がわいたというか。「歩いているだけやん」ってみんな言いますけど、1人で100キロ歩くのって、めちゃめちゃしんどいねんなって思いました。(いままでのランナーに)申し訳なかったです(笑)。
庄司 あと、(間)寛平師匠が「(地球1周した)アースマラソンで1日に走る距離が40キロ、50キロだった」とかおっしゃっていたのを思い出すと、「この距離を毎日、異国の地で走っていたんだ」とすごさを感じましたよね。
東野 寛平さんも、アースマラソンの話をもっとしたほうがいいですよね。みんな忘れているから、寛平さんのすごさを。地球1周ってすごいことなのにあんまり言わないから、もっと言ったほうがいい。本人も忘れているかもわかんないけど。
庄司 ははは(笑)。
東野 いや、すごいことだと改めて思いましたね。
――トレイルならではの楽しい瞬間はありましたか? 山登りだと頂上にたどり着いたときなど、わかりやすい達成感があると思います。
東野 やっぱり、全部が終わったあとですよね。道中というよりも、全部が終わってから「この距離を歩いたんや」という達成感がありました。
あと、ウワサによると、アメリカのIT企業の創業者たちも(トレイルを)やっているらしいんですよ。ビル・ゲイツもオフをとってロングトレイルをしたり、賢い金持ちの人がニュージーランドで歩いているらしいみたいな話を聞くと、励みになるんですよね。やっぱり賢い人って、アホなところじゃなくて、自分を見つめ直すためにそういうとこに行きはんねんなって。勝手に自分もその一員になっています(笑)。
――東野さんもトレイル中に、自分を見つめましたか?
東野 いや、僕はぜんぜん見つめてませんけど。
一同 (笑)
東野 ただ「オレもそういうことをやってんねや」という満足感というか(笑)。まったくプログラミングもできませんし、ハードをつくることもできませんけど、賢い人と同じことをやっている満足感。あとは歩いているときに何も考えないのが気持ちよかったり、ストレス発散になったりするのもあると思います。
出典: FANY マガジン
――庄司さんが今回のトレイルで心踊った瞬間は?
庄司 僕も無になって、黙々と歩いているときは気持ちがよかったですね。あとはやっぱり、「塩の道資料館」で実際に歩荷さんの荷物を背負ってみたあと、その重さをリアルに体験したことで、「当時の人は本当にあの荷物を背負って、この道を歩いたのかな?」と思いながら歩くのが楽しかったです。
山道を進んで、何もないところをずっと歩いて、しばらくして民家が出てきたら「当時の人はここで休んだりしたのかな」とか、いろいろと感じられるのが楽しかったですね。