NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスは、2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターに着陸。それ以来、クレーターの底やデルタ地帯を探索したのち、2024年8月からクレーターの西の縁の斜面を登坂していました。パーサヴィアランスは約3か月半かけてクレーターの頂上にある、科学チームが「ルックアウトヒル(Lookout Hill)」と呼ぶ地点に到着しました。
この画像は、ルックアウトヒルから2024年12月10日(1354火星日)にパーサヴィアランスのナビゲーションカメラで撮影されたものです。
こちらの画像は、パーサヴィアランスがクレーターの縁を登坂中にナビゲーションカメラで撮影したもの。2024年11月11日に(1326火星日)に撮影されました。平均10度の斜度がある砂地で、非常に滑りやすい場所でした。探査車の車輪の跡が見えており、奥にはクレーターの底が映っています。
こちらは2024年12月5日(1349火星日)に、クレーターの縁の斜面を登坂中に撮影されたパノラマ画像です。マストカメラ(Mastcam-Z)で撮影。この画像は、斜面の一部がどれほど急なのかを示しています。
新たな観測キャンペーンをスタート
パーサヴィアランスは今後、「ノーザンリム(Northern Rim)」と呼ばれる観測キャンペーンをスタートします。1年間で約6.4キロメートル走行して、地質学的に興味深い地点を4か所訪問、サンプルの採取も行う予定です。
探査車は、約39億年前にジェゼロ・クレーターが形成された際に隕石衝突によって掘り起こされた、初期の火星の地殻の岩石を調査することになります。その岩石は、これまで発見された中で太陽系で最も古いものである可能性があり、初期の火星や地球がどのような様子だったのかを理解するのに役立つとみられています。
(参考記事)火星探査車パーサヴィアランス、ジェゼロ・クレーター内部を一望
(参照)JPL