BS-TBSにて11月下旬から、昨年亡くなった脚本家・山田太一氏による人気ドラマが順次再放送されている。最初に放送されたのは、伝説のドラマ「岸辺のアルバム」(TBS系)だという。

「BS-TBSは、山田氏の1周忌の追悼を込めて、複数の山田作品を放送していくと発表しました。その第1弾として放送された『岸辺のアルバム』は、テレビドラマ史に残る名作として今もなお語り継がれており、先日もTBSの定例会見で社長が『やはりTBSドラマの代表作というか、日本のテレビドラマの歴史の中でもかなり革命的な作品であって、ある種、金字塔と言える』『テレビドラマを語る人の中では“岸辺以前”、“岸辺以降”っていうような言い方をされるぐらいの名作だった』と熱弁。それだけに今回の再放送には、多くのドラマファンから注目が集まりました」(テレビ誌記者)

 そんな「岸辺のアルバム」は、一見平和で幸せそうな中流家庭を描いたホームドラマだが、八千草薫演じる真面目な専業主婦の不倫や、中田喜子演じる女子大生の長女がアメリカ人から乱暴されるなど、今見ても衝撃的な内容が満載となっている。

 だが、あるシーンにおいて、一部視聴者から不満の声があがったという。

「第11話では、杉浦直樹演じる一家の大黒柱である父親が、国広富之演じる息子に対し、『お前は本当の社会を知らない! もっと人間を知るんだ!』と説教して、どこからともなく現れた女性たちを体ごと押し付ける場面が登場します。これは息子が見ている悪夢の1シーンなのですが、この時、父親は女性の服を胸元から破り、バストをすべて露わにさせるのです。しかし、今回の再放送では、女優たちのバストトップにボカシ加工が施されており、視聴者はすべてを確認することができませんでした。『岸辺のアルバム』は1977年に放送され、ショッキングな場面も登場するため、再放送では冒頭に『番組中、一部に不適切な表現がありますが、作品のオリジナリティを考慮し、そのまま放送いたします』との注意書きが表示されています。それにも関わらず今回、バストトップが隠されたことで、一部ドラマファンの間では『なんでボカシ加工なんてするんだ。ドラマが安っぽくなってしまう』『“そのまま放送します”って言ってたのに、隠すなんてガッカリ!』『嘘つきだ!』などと不満の声が続出したのです。

 一方で、最近BS松竹で再放送されたドラマ『江戸川乱歩の美女シリーズ』(テレビ朝日系)では、ほぼ毎回登場する女優たちのマッパ入浴シーンにボカシ加工はありませんでした。ただ、『岸辺のアルバム』の場合、見逃しサイト『TVer』でも配信されているため、肌見せシーンは修正するしかなかったのかもしれません」(前出・テレビ誌記者)

 BS-TBSでは12月16日から、山田作品の「それぞれの秋」(TBS系)の再放送がスタートする。同ドラマでは、目立った修正がなければいいのだが…。

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