MotoGP引退のアレイシ・エスパルガロ、自転車競技に挑戦。ホンダのテストライダーと二足のわらじ

 今季限りでMotoGPを引退したアレイシ・エスパルガロ。ホンダのテストライダーとして今後もMotoGPに関わるが、プロのサイクリストとしての活動も始まるようだ。

 MotoGPで通算3度の優勝経験を持つエスパルガロだが、2025年はプロサイクリングチームであるリドル・トレックのアンバサダーに就任するのだ。

 エスパルガロは背中を負傷し、ランニングを止めることになった9年前から、熱心なサイクリングファンとなり、トレーニングとコンディション維持のために自転車に乗ってきた。

 そんなエスパルガロは自転車メーカー『トレック』が運営するチームであるリドル・トレックのアンバサダーとして、「カレンダー上で最も権威のあるイベント」にいくつか参加するという。

「予定よりも早くMotoGPから離れることを決めたのは、自分の情熱にぴったり合うプログラムに参加するためだ」とエスパルガロは語った。

「僕を家族の一員として迎え入れ、サポートしてくれたリドル・トレックに深く感謝している。全力を尽くすつもりだ」

「僕はアンドラに住んで、多くのプロサイクリストと親交を深めることができた。それが、より高いレベルでトレーニングをするきっかけになった」

 リドル・トレックのゼネラルマネージャーであるルカ・グエルチレーナは、「アレイシとの仕事は我々にとって、特に若いライダーにとっても、非常にやりがいのあるものだ」と語った。

「彼が強く、情熱的なサイクリストであることは知っているが、彼はまた違った経験や視点をチームにもたらしてくれる。彼は若い選手たちがトップレベルの競技に伴うプレッシャーを理解し、対処するのを助けてくれるだろう」

 エスパルガロはMotoGPで計255戦に出場。バレンティーノ・ロッシに次いで、2番目に出場回数の多いライダーとなった。

 新たな挑戦に挑むエスパルガロだが、自転車競技と並行してホンダのMotoGPテストライダーとしても働き、同じくMotoGPフル参戦を終えた中上貴晶と共に、ホンダのMotoGPバイクを改善していくことになる。彼が持つ経験は、MotoGPを飛び越え、新たなフィールドでも活かされることになる。