大物記者、見参【家そば放浪記】第269束:「2万軒以上の店を取材した日本一の酒場ライター」からもらった、松代そば善屋『いっちょうそば』538円(1人前179円)

酒を飲んだら楽しくなって飲みすぎて、結果として飲まれてしまう習性のため、あまり進んでお酒を飲まない私だが、何人かの「飲み友」はいる。

その中でも史上最強レベルの飲み友が、「ハッケン!ジャパン」という和文化メディアで執筆中の “フミちゃん” こと、グルメライター・中沢文子お姉様。

なにせ彼女、これまで取材してきた店は2万件以上。特に強いのは酒場であり、その知識と経験値は日本一といっても過言ではないほど。

おそらくのところ、ほぼ毎日、飲んでいる。というより、シラフのフミちゃんを見たことがない。そんな彼女が、飲みの席で「はい、おみやげ」と手渡してくれたのが……

【画像】怪しすぎる飲み友3人組

今回とりあげる松代そば善屋『いっちょうそば』だ。価格を公式サイトで調べたところ、1パックまさかの538円! なんとも高価なプレゼント!

どこでこの蕎麦を手に入れたのか。そして、なぜそこに行ったのか……など聞いた気もするが、例のごとくお酒を飲みすぎてサッパリ覚えていない。

販売者は群馬県の「いっちょう」なので、おそらく群馬への取材か、群馬へ温泉旅行にでも行った際に買ってきてくれたのだと思われる。たぶん。

ありがとうフミちゃん、いただきます。

デカい鍋に湯を沸かし……

4分半ゆでて……

おっと、ここで「氷水」推奨キター! ので……

キュッとシメての……

ハイ、完成。

して、そのお味は──

ふのり(布海苔)! もう食べた瞬間に感じる圧倒的な布海苔感。そしてツルツルのコリッコリ。完全に店の食感。これはもう店でしょう。家ではない。

特に何かが突出した蕎麦ではないけども、確実に「店のそばだなぁ〜」と思えるようなチューニングが施されている。そう錯覚させたのには、氷シメの効果がデカいような気もする。

これは「冷」でも「温」でもいけるオールマイティー系。なんにでも合うだろうなぁ。それこそ年末なら天ぷらを入れての年越しそば(天ぷら蕎麦)。

でも、あえて、これで「たぬきそば(温)」なんて食べてみたい気もする。天かすが合う気がするんだよなぁ。「ひやた(冷やしたぬき)」もいいかも。

いや、これ、「ひやた」だな。このコリコリのキュッキュ感と、ひやたならではの天かすポリポリ、キュウリのシャキシャキが合わさったら口の中はカーニバル。

というか……これ、私が好きなひやたを出すお蕎麦屋さんのそばと似ているわ。だから「ひやた(たぬき)」を連想したんだ。ということで、これはもう「ひやた」でいってください。

きゅうりと、なるとと、ちくわと天かすを用意して。お皿に蕎麦を盛り付けて、その上に細く切ったきゅうり&なるとを配置。そして半分くらいのスペースに天かすザラ〜。

端っこあたりに、ちくわとわさび。そして、そばつゆをトバ〜ッとかけたら、これにて「ひやた」の完成である。ひさびさにひやた、食べたいなあ。日本酒と共に。

というかフミちゃん、「蕎麦屋でお酒」は、やらないのかしら。こんど一杯やりましょう。酒場ではなく、どこかの小洒落たお蕎麦屋さんで。

参考リンク:いっちょうハッケン!ジャパン中沢文子の酒場ふらふら

執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥

Photo:RocketNews24

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