サインツJr.、フェラーリと特別なお別れ。親子で2022年マシン『F1-75』をドライブ

 12月17日にフェラーリが所有するフィオラノ・サーキットで行なわれるテストは、非常にエモーショナルなものになるだろう。2022年のF1を戦ったフェラーリ『F1-75』をドライブするのは、ふたりの特別なドライバー。カルロス・サインツJr.とその父だ。

 フェラーリは過去4シーズンにわたり活躍してきたサインツJr.と、その父親でありモータースポーツにおけるレジェンドであるサインツSr.への贈り物として、この走行機会を用意した。

 サインツJr.はフェラーリとの契約延長が濃厚だと見られていた今季開幕前、ルイス・ハミルトンの電撃移籍により2024年限りでシートを喪失することが決まってしまった。

 今回のテストは、サインツJr.との契約を更新しないことが明らかとなったときから始まった、お別れの最後の儀式だと言える。

 彼の父であるサインツSr.は、テストでのドライブについてアブダビで「タフになると思うよ!」と話していたが、彼は今も体力的に厳しい要求がされるダカールラリーに挑戦を続けており、フィジカル面で問題がないであろうことは証明されている。

 サインツJr.は2021年1月27日に、2018年のマシン『SF71H』をドライブし、F1で最も長い伝統を誇るフェラーリでのキャリアをスタートさせたが、同じフィオラノで、フェラーリでの4シーズンを締めくくることになる。

 走行を終えた後には、ファクトリーの従業員たちとの最後の別れが待っているが、それも終わってマラネロを去る時、サインツJr.にとってフェラーリでの経験は決定的に過去のものとなる。

 サインツJr.は、ウイリアムズに移籍。未だ名門チーム復活に向けて再建の途上にあるチームで、これまでの経験を活かすことになる。