リアム・ローソンは、2024年のアメリカGPからRBのレギュラーシートを手にし、角田裕毅のチームメイトとして残りのシーズンを戦った。ローソンはこのことにより、趣味など他のことにかける時間を犠牲にせざるを得なかったと明かした。
シンガポールGP限りでダニエル・リカルドがチームを去ったことを受け、その後任としてRBのマシンをドライブすることになったローソン。すると彼の生活は一変することになった。
それまでローソンは、時間を見つけては仲間とバンド演奏を楽しんだり、Vlogを撮影・編集したりしてきた。しかしRBのレギュラーシートを手にして以降は、いずれも疎かになってしまったという。
「最近はちょっと忙しくなったんだ」
ローソンは笑いながらそう語った。
彼は実にロマンチックな人物であり、ギターをかき鳴らしながら歌ったりすることを愛している。特にアコースティックギターで、バラードを歌うことが多いようだ。RBのレギュラードライバーとなる前には、仲間と共にレコーディングスタジオに籠り、収録も行なっていた。
「一緒に演奏するメンバーは本当に親しい友人だから、前日の夜に集まってカバーしたい曲を選び、スタジオに入ってレコーディングしたんだ」
この時の模様は、6月に投稿された。そして収録した音源は、まもなく公開するつもりだとも語っていたが、残念ながらそれが実現することはなかった。
F1のレギュラードライバーを務めるということは、趣味を犠牲にしなければ成り立たない。たとえ10年以上続けてきた趣味であってもだ。
「僕は10歳から11歳の頃から、自分で曲を書いていたんだ」
そうローソンは語る。
「幼い頃から、女の子に夢中だった。だから、小学校の頃には好きな女の子についての歌を書いたんだった思うね」
インタビューの際に同席していたローソンのパートナーであるハンナ・セント・ジョンは、これについて次のように補足した。
「そう。彼は12歳の時に『Pain(ペイン/痛み)』というタイトルの歌を書いたのよ」
一体どんな曲だったんだろうか? ローソンに尋ねると、彼は次のように語った。
「当時は何か辛いことがあったに違いないね」
「子供の頃は、全てが実際よりも1000倍もドラマチックに感じられた。あれもそのひとつだったと思う」
「音楽はもっとやりたいと思うけど、うまくやるためにはどんなことであっても多くの時間をかけなきゃいけない」
F1ドライバーたるもの、たとえオフシーズンであっても、本業が優先なのだ。
またローソンは、Vlogにも熱心に取り組んできた。YouTubeチャンネルではディズニーランドを楽しむ1日や、プロジェクトカーの製作シーンなどを投稿。SpaceXの宇宙船を見学に行くシーンもある。チャンネルの登録者数は9万1000人近くにも到達しているが、その更新は5ヵ月前で途絶えている。
「Vlogは本当に楽しいけど、何をするにしても、本当に良いモノにしたいんだ」
そうローソンは説明する。
「ちゃんとしたモノじゃなきゃやりたくない。音楽も同じで、これまで一度も公開しなかったのはそのためだ。最後のレコーディングはとっても格好良くできたんだ。もっとうまくできると分かっているんだよ」
「Vlogについては、3週間に1回、しかも不定期に、あんまりまとめないで投稿するのは嫌なんだ」
「やるならきちんとやりたい。もっと体制が整ったら、またやってみようかなと思っているんだ」
ローソンの来季についてはまだ未確定。いずれのチームのシートも決定していないが、セルジオ・ペレスの後任としてレッドブルに加入するのではという噂もある。ローソンが音楽やVlogに傾注するのは、難しいかもしれない。