”元レッドブル”のアルボン、フェルスタッペンのチームメイトを務める難しさを証言「あのチームのマシンはドライブしやすくはない」

 ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、レッドブル在籍時代を振り返り、同チームのマシンをドライブすること、そしてマックス・フェルスタッペンと対峙するのは大変だったと語った。

 アルボンは2019年にレッドブルの姉妹チームであるトロロッソからF1デビュー。しかし同年にレッドブルに昇格したピエール・ガスリーは、チームメイトであるフェルスタッペンと同等の成績を残すことができずにシーズン半ばでチームを追われ、第13戦ベルギーGPからアルボンがガスリーと交代する形でレッドブルのドライバーに大抜擢された。

 アルボンはレッドブルで安定してポイントを獲得したものの、最高成績は3位。結局2020年いっぱいでシートを失い、その後1年間は浪人生活……2022年にウイリアムズからF1復帰を果たし、現在に至っている。

 レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトを務めたドライバーたちは、軒並み苦しんでいる。ガスリー、アルボン、そしてセルジオ・ペレス……いずれのドライバーも、フェルスタッペンと匹敵するパフォーマンスを発揮できなかった。

 フェルスタッペンのチームメイトを務めるのがどれほど難しいか? そう尋ねられたアルボンは、2024年最終戦アブダビGPの際に次のように語った。

「まず、マックスの才能を認める必要があると思う。それが第一だ。そして第二に、あのクルマをドライブするのは、必ずしも快適ではないということなんだ」

「チェコ(ペレス)については、今どうなっていくかは知らない。でも彼の好みは、かなり違うと思う。他のドライバーが、(フェルスタッペンの好みに)適応するのは簡単ではない。それは負担になるだけだ」

「誰にとっても、フェルスタッペンのチームメイトになるのは簡単なことではないよ」

 フェルスタッペンのドライビングスタイルがあまりにも特殊なのか? それともレッドブルのセットアップが特殊なのか? そう尋ねると、アルボンは「どっちも当てはまる」として、次のように続けた。

「今年の初めのチェコを見ると、もう少し彼に合っているように見えた。実際、他のトップチームと比べても良い仕事をしていたと思う。予選でトップ3やトップ5に入り、表彰台も獲得していた」

「でも、アップデートが入ると、そのフィーリングが薄れていったんだと思う。一方でマックスはマシンにどんどん慣れていった。快適ではなかったのかもしれないけど、対処はできていた。一方でチェコは少し苦労していた」

「だから両方なんだと思うよ。マックスはああいう方向のマシンが好きなんだと思う。そしてチームも、彼にそれを与えることができる。ただそれがチームメイトを困難な状況に追い込んでいるのかどうかは、僕には分からない」

 ペレスはその不振から、今季限りでチームを追われるとの見方が強い。後任にはRBの角田裕毅とリアム・ローソンの名が上がっているが、どんな結末となろうか?

 なお角田はシーズン終了後に、今季ペレスが苦しんだレッドブルのマシンRB20をドライブ。「自分のスタイルに合っている」と語っていた。