ヤマハMotoGP、V4エンジンの開発を加速。ついにサーキットでの実走行テストを開始へ

 直列4気筒エンジンを搭載する唯一のMotoGPメーカーであるヤマハは、ライバルに追いつくため、新たにV4エンジンの開発を進めてきたが、サーキットでのテストに移る段階が近づいてきたようだ。

 ヤマハはこれまで直列4気筒エンジンを使用し、バレンティーノ・ロッシが加わった2004年以降、そしてホルヘ・ロレンソが3度のタイトルを獲得した2010年代以降、好成績を残してきた。2021年にファビオ・クアルタラロもチャンピオンに輝いた。しかしそれ以降ヤマハのパフォーマンスは優勝戦線から脱落しており、現在シリーズを支配しているドゥカティには全く対抗できていない。

 このギャップを埋めるため、ヤマハはエンジニアや専門家を大量に補強。中でも、かつてフェラーリやトヨタでF1エンジン部門の責任者を務めていたエンジニアのルカ・マルモリーニをコンサルタントとして迎え入れた。そしてそのマルモリーニが、エンジンコンセプトの変更をアドバイスした。

 今季限りで退任するヤマハのマネージングディレクター、リン・ジャービスはこのV4エンジンが2025年半ばまでにコースインすることはないとしながらも、開発中であることを認めていた。

 しかし開発作業は加速し、今月セパンでプライベート・テストを行ない、アンドレア・ドヴィツィオーゾが新エンジンをテストするのではないかと噂されていた。

 ヤマハのファクトリーライダーであるアレックス・リンスは、Motorsport Networkのポッドキャスト『Por Orejas』で、新しいV4エンジンは先週デビューする予定だったと明かした。

「ヘレスでのテストで試す予定だったが、結局、準備が整わずテストできなかった」とリンスはインタビューで明かした。

 リンスによると、ヤマハの計画では2日間のサーキット走行でV4エンジンを搭載したM1をテストする予定だったが、ユニットの準備が整わなかったという。

 ヤマハ曰く今年いっぱいはもうテストを行なう予定はないという。そのため、V4エンジンは1月31日から2月2日までセパンで予定されているテストライダーとルーキー向けのシェイクダウンでデビューすることになりそうだ。また、2月5~7日には同サーキットで公式プレシーズンテストが行なわれる。

 ヤマハのファクトリーライダーであるリンスとクアルタラロ、そしてサテライトチームであるプラマック・ヤマハのミゲル・オリベイラとジャック・ミラーが、このシェイクダウンに参加する可能性もある。