専修大学は年末から始まる冬季休暇を前に、学生が事件や事故に巻き込まれないための「漫才で学ぶ啓発講座」を開催。
神奈川県川崎市にある専修大学 生田キャンパスにて、お笑いコンビ・さくらだモンスターをゲストに招き、闇バイトをテーマにしたネタを披露し、学生たちに笑いと共に注意喚起を行いました。
事件や事故に巻き込まれないための「漫才で学ぶ啓発講座」を専修大学が実施
12月はクリスマスや年末年始が近づき、宴会などの催しの増加をはじめ、普段よりも開放的な気分となる季節。
特に学生たちにとっては、様々なイベントが続くだけでなく、待望の冬季休暇が目前に迫る時期。
専修大学では毎年学生に対して、飲酒事故の防止や事件に巻き込まれないための注意喚起を行っている中、昨今「闇バイト」の増加が社会問題となっており、学生自身が知らない間に事件に加担してしまったり、巻き込まれてしまう可能性もあります。
そこで専修大学は、神奈川県川崎市にある生田キャンパスにて、事件や事故に巻き込まれないようにするための注意喚起講座を開催し、約100名が参加しました。
本講座に登壇した学生部長 ネットワーク情報学部の佐竹弘靖教授は、
「(皆さんも)知っての通り、SNSの発達によって極めて悲惨な事故や事件に簡単に巻き込まれてしまう時代です。マルチ商法や詐欺事件に闇バイトなど、自分が思ってもみなかったところで関わってしまうことがあり得ます。(こういった被害は)無くなって欲しいけれども無くならないものなので、今回この講座を開催することになりました。」
とコメント。
未成年の飲酒や違法薬物などに対して「決して手を出してはいけない」と語りかけました。
さくらだモンスターがショートコントで闇バイトへ注意を促す
続いて、お笑いコンビ・さくらだモンスターのマサキさんとしょっぴーさんが登壇。
左からしょっぴーさん、マサキさん
マサキさんは専修大学商学部の卒業生で、20年以上前に生田キャンパスに通っていたそう。
しょっぴー「僕の出身がね、神奈川県川崎市多摩区の、東三田2-1-1なんです。」
マサキ「生田キャンパスじゃん!生田キャンパスで生まれてんの!?そんなわけないじゃん!」
しょっぴー「実家から最寄駅まで遠くてね、20分くらいずっと坂道。だから僕は家に帰ることをね、“登山”って呼んでます。」
マサキ「だから生田キャンパスじゃん!!」
と身近なネタでボケとツッコミを披露し、学生たちを笑わせていたお二人。
そしてネタはお互いの過去にやっていたアルバイトの話に。
しょっぴー「家庭教師とか、焼肉屋の店員とか、あと“運び”とか!」
マサキ「ちょちょちょ!運びって闇バイトだから!」
しょっぴー「いや違うよ!“運び屋”のことだよ!」
マサキ「だから闇バイトだって!」
しょっぴー「え?でも、ただ人を運ぶだけだよ?」
マサキ「ああ、運転手ってこと!?運転手って言ってよ、勘違いしちゃうから!」
と「闇バイトをやってるの!?」「闇バイトじゃないじゃん!」といったネタで、会場の学生や報道陣を笑わせていました。
他にも「段ボールを運ぶだけで1回5万円」「連絡はTelegram」「電話のバイト、一日10万円」「新宿のロッカーに白い封筒を取りにいかせる」といった、闇バイトの共通点をネタにして学生たちに笑わせながらも、闇バイトへの警戒を促したさくらだモンスター。
闇バイトについてどう思うか聞かれたマサキさんは、
「実は僕のおばあちゃんが1回オレオレ詐欺の被害に遭っています。手口が凄く巧妙で、196万円を僕だと思って振り込んでしまったんですが、98万円ずつ2回に分けて振り込まされたそうなんです。また、よく聞くとは思うんですけど“オレだけど”って言われて自分から“誰?マサキ?”って名前を言っちゃって話が進んでしまった。ご両親とかおじいちゃんやおばあちゃんにぜひ気を付けるように伝えて欲しいですね。」
とコメントしました。
また、しょっぴーさんは自身が実際に詐欺被害に遭った経験があるそうで、
「僕は三苫薫選手のモノマネをしているのですけれど、川崎フロンターレ時代のユニフォームが欲しかったんですが、どうしてもなかったんです。ユニフォームを探していたら、とあるサイトに2万円ぐらいで売っているって教えてもらったんです。買えない額じゃないくらいの金額だったんですが、購入してから連絡が取れなくなって、最終的にホームページも消えてしまったんです。」
と述べ、
「詐欺って結構身近にあるので、そういうことに加担しないでいただきたいなと。僕らの身近にもそういった闇バイトで芸能生活をやめなくちゃいけなくなった人がいるんです。」
と注意するよう呼びかけました。
今回の闇バイトのネタについて、
「今、結構闇バイトとかで大変な思いしてる人が多く、僕の周囲でもそういった話を聞くので、自分のところではそういう人を出したくない。僕ももちろん卒業生っていうのもあるんで、後輩がそんなことに加担したりとか嫌な思いをしてほしくないなと思って、今回の話をいただいた時に、じゃあこれはもう闇バイトという題材で、みんなに注意喚起できるようなネタを作ってみよう、ということで2人で作ったんです。」
と想いを語ったマサキさん。
しょっぴーさんは、
「なんか引っかかりというか、ちょっとでも“大丈夫かな?”って思ったものって、やらない方がいいやつなんです。そういう疑問があるようなものには手を出さなければ楽しい学生生活になるんじゃないかなと思うので、引っかかりは避けて(人生を)進んでいってほしいなと思います。」
とコメント。
マサキさんも、
「僕らもこれだけ生きてきましたけど、やっぱり“楽に稼げる仕事”ってないんだなって気づいた。特に学生で楽に稼げる仕事なんてほぼないと思うので、本当に大丈夫かなっていう“疑う心”を持つこと、あとは相談をした方がいいかなと思います。」
と語ってくれました。
神奈川県警 多摩警察署からも「何かあったらすぐ警察に相談を!」
最後に、神奈川県警 多摩警察署より、生活安全課 防犯少年係の中村裕司警部補が登壇。
「(さくらだモンスターの)ネタの中にもありました、短期で高収入、ホワイト案件、物品回収のみ、即日即金といった書き込みは、いわゆる闇バイトの勧誘です。なんで(こんな文言に)引っかかってしまうのかというと、ホワイト案件などと言って心理的なハードルを下げ、心理的に巧妙な働きを使って事件などに加担させ、もう引き返せないようにしてしまうんです。」
と、闇バイトの恐ろしさを述べた中村警部補は、
「色々な名称がつけられていますが、全て犯罪行為です。楽に稼げると思って個人情報を伝えた結果巻き込まれてしまったり、仲間・先輩に勧誘された、危険そうじゃなかったなど、様々なきっかけがあります。こういうものに巻き込まれてしまったら、一人で悩まずに、まずは相談してください。」
と学生たちに語り、
「110番でもなんでも構いません。警察は闇バイトに加担してしまった方を保護するような活動にも力を入れておりますので、ぜひそのような方が周りにいたり、自分が遭ってしまった場合などは、警察に相談してください。」
と訴えかけ、本講座は終了しました。
佐竹教授に今回の「漫才で学ぶ啓発講座」について伺うと、
「犯罪が低年齢化していると言われていますが、大学生だから(危険だと)知っているだろうと思っても、蓋を開けてみたら…ということがあります。注意喚起はこれまでも行ってきましたが、今回のように漫才で笑いを重ねながらお話しいただくことで、自然と話が入ってくるような感じがします。こういう機会を作ることはすごく良いことだと思いますし、専修大学だけではなく、色々な大学で開催していけば状況も変わってくるのかなと思いますね。」
と語ってくれました。
参加した学生たちも自然と話に傾聴している様子が見て取れたことから、とても良い試みだったと感じた専修大学の漫才を活用した注意喚起講座。
闇バイトや詐欺など、学生に限らずこれからの年末年始シーズンも巻き込まれないように気をつけましょう。