「落書き」と聞くと、ネガティブなイメージを連想する人が多いはず。

しかし以前X上では、駅構内のトイレで発見された夥(おびただ)しい落書きに、なぜか称賛の声が寄せられていたのをご存知だろうか。

 
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■駅トイレの張り紙に、大量の落書きが…

今回注目したいのは、Xユーザー・ここまさんが投稿した1件のポスト。

こちらの投稿には「お客様へ いつもトイレをきれいにご利用いただき誠にありがとうございます。これからも常にキレイな状態を保てるように努力いたします」と書かれた張り紙の写真が添えられている。張り紙には多数の落書きが確認でき、思わず眉を顰(ひそ)めてしまった。

しかし、ポスト本文を見ると、そこには「初めて利用する駅のトイレに入ったとき、そこの貼り紙が落書きだらけだったんだけど、よく見たら内容が感謝や労いの言葉ばかりだった」と、衝撃のネタばらしが綴られていたではないか。

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■「心が洗われる」と称賛の声

落書きの内容は、いずれも「清掃員さんもありがとう!」「今日もキレイでいてくれてありがとう」といった具合に、感謝のメッセージばかり。

こちらの光景は「優しい世界」として話題になり、件のポストは2,000件以上のリポストを記録するほど話題となっていた。

なお、Xユーザーからは「キレイな言葉には、キレイな言葉が引き寄せられるんだなぁ…」「落書きって大体は字が汚いんだけど、これは見事にどの文字もキレイ」「なんだか心が洗われるようだ…」「これ見たら、使う人も『キレイに使おう』って思えそう」など、称賛の声が多数寄せられている。

素晴らしい落書き(メッセージ)に隠れて見落としがちだが、じつはこちらのトイレには「さらなるツッコミどころ」が存在するのにお気づきだろうか…?

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■発見時に「残念」だったのは…

ポスト投稿主・ここまさんに話を聞いたところ、こちらの光景は京王線の某駅にて遭遇したものと判明。

発見時の様子について、ここまさんは「ふと壁の張り紙を見た際に落書きだらけだったので、内容が気になって読んでみた次第です。こういう場所の落書きはろくでもない内容が多いのに、ここは感謝の言葉しか書かれてなかったので『本当にこんなことってあるんだ』と感動しました」と振り返っている。

その際、ここまさんも「追記したいなぁ」と感じていたが、筆記用具を持っていなかったため断念。「もちろん、落書き自体は良くないことだとも思っています(笑)」と、ごもっともなコメントを寄せてくれた。

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■張り紙の「5文字」にツッコミ

今回の張り紙の内容を受け、文末が「トイレより」と締められていた点が気になっていた人は少なくない。

実際「清掃スタッフでなく、トイレが直々に挨拶してくれることあるんだ」「『トイレより』がかわいい」といった声が、複数確認できている。

じつは「トイレより」と書かれた張り紙は過去にもXで話題となっており、その際に「京王電鉄株式会社」に詳しい話を聞いたことが。

担当者からは「日頃より『駅のトイレを綺麗に使用して頂きたい』と考えていた折に、たまたま入店した飲食店のトイレで『トイレより』という張り紙を目にし、引用したことが切っ掛けとなります」との回答が得られている。

ひょっとしたら、この微笑ましい「トイレより」が、利用者たちの優しい心を育んでくれたのかもしれない。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ