「飛ばしたくてリキんで、振り遅れからスライスが出た」「フェースが大きく開いたままインパクトを迎えてしまった」FWでのミス連発で「苦手だなぁ」と思っている人も多いのでは? 今回はFWでしっかり飛ばしたい人におすすめのコツをピックアップ。「うまく打つ&飛ばすポイント」を紹介します。
LESSON 01
アドレスの向きと
ボールの位置で調整!
FWでミスなくしっかり飛ばす方法
コースの幅を広く使えるときは
ランの出るボールを
積極的に打つ!
「飛ばす」というと高弾道のボールをイメージする人も多いかもしれません。しかし、手前にハザードがないような開けた状況においては「ビッグキャリー」は不要。ランを使って転がして飛距離を伸ばすのが得策。効率よくランをかせぐには、少し右サイドにボールを打ち出してからターゲット方向に戻ってくるようなドローボールが理想です。
スイング的には基本的な打ち方からは逸脱せず、アドレスの向きとボールの位置で調整しましょう。FWはクラブが長くてただでさえ難しい番手なので、打ち方を大きく変えようとするのはNG。なるべくシンプルにアレンジするのが賢い方法です。
「飛ばす」アドレス
ボールの位置を通常より
右側にセットする
ドローボールを打つ条件のひとつは「インサイド・アウト」のクラブ軌道。通常よりもボールを右側にセットすることで、インサイド・アウトの軌道が得やすくなる
ターゲットより
少し右側を向いて構える
これもインサイド軌道を確保するためのアレンジ。フェースも打ち出す方向にしっかりと向けていこう
「飛ばす」スイング
通常どおりの
バックスイング
バックスイングは基本的には通常どおりでOK。アドレス時に若干ハンドファーストを強くしておくと、トップは自然に少しコンパクトになる
スタンスなりに
振っていく
ターゲット方向に振らないように注意。スタンスなりに振ることで、コースの右サイドからターゲット方向に戻るドローボールが打てる
少しインサイドから
払うように打とう
レッスン=神谷幸宏
●かみや・ゆきひろ/1987年生まれ、埼玉県出身。「越谷ゴルフリンクス プライベートスタジオ」を中心にレッスン活動を展開。Swing Catalystなどの数値を解析するデータアナリスト、シューフィッターとしても活躍中。
写真=田中宏幸 協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)
LESSON 02
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「絶対ミスする」
そんな苦手意識を克服できる!
FWをうまく打つ方法
「FWは払い打ちがいい」そう言われて実際にやってみると「あおり打ちになってダフった」「ボールの頭を叩くような大きなミスが出た」という人も多く、FWに苦手意識がある人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、FWをうまく打てる方法を3ステップに分けてレッスン。順を追って3つの動きを身につければ、FWの苦手意識はなくなりうまく打てるようになるはずです。
01.まずは打ち込める
“腕使い”を習得しよう!
FW・UTをうまく打つための最初のステップは「手打ち」です。「手打ち」のポイントは、クラブを上からしっかり打ち込むこと。本来「払い打ち」が理想なのに最初に打ち込むことを覚えるのはおかしいと思うかもしれませんが、「払い打ち」といってもゆるやかなダウンブローであって、アッパーではありません。そのためにも上から下の腕の動きの習得が必須。これができていないと体が正しく動いたときに払い打ちではなくあおり打ちになってしまいます。まずは完全な手打ちでいいので、フェース面をボールにぶつけるようなイメージで、リーディングエッジから地面に打ち込んでください。これで、5球連続で芯に当たるショットが出たら、次のステップに進みましょう。
ボール位置は真ん中
完全な手打ちでOK
ボール位置はスタンスの真ん中。振り幅は肩から肩くらいの、体を回す意識がなくても振れる範囲でスイングする。
刃から打ち込む
インパクトでOK
ハンドファーストに打ち込んで、ロフトが立った状態でインパクトする。刃が地面に刺さる感覚でOK。
02.“打ち込む”
イメージのまま
「右傾軸」でスイング!
腕の振りは【01】の「打ち込む」イメージのまま、今度は上体を右に傾けて「右傾軸」を作ってスイング。腕は打ち込むイメージでも、軸が右に傾くことで入射角はかなりゆるやかになります。ポイントは、正面から見たときに頭がベルトのバックルよりも後方にあること。上体を右に傾ける感覚をしっかり身につけましょう。
頭がベルトの
バックルより右
腰から上の軸を右に傾けるイメージ。頭がベルトのバックルよりも右にある状態でスイングしよう。
手の「グリグリ」で
フェースを返すイメージ
強いプッシュアウトが出る人は、少しフェースを返す意識をプラス。手を「グリグリ」と回旋させてフェースを返そう。
03.腰のスライドを
プラスすれば完成!
次は、下半身の動き。打ち込む腕の動きを右傾軸でできるようになったら、そこに腰を左上にスライドさせる動きをプラスします。これによってインパクトゾーンが長くなり、理想の「払い打ち」が完成します。ポイントは右ヒザを伸ばしながら腰を押し込み、左斜め上方向にスライドさせること。このとき、左足はカカト側に体重を乗せる意識をもってください。そうすれば自然と体の回転が生じて、スムーズに振り抜けるようになります。
吉本 巧
●よしもと・たくみ/1980年生まれ、兵庫県出身。14歳でアメリカにゴルフ留学。20歳のときにアメリカでプロ資格を取得し、ミニツアーに参戦。帰国後はレッスン活動を行ない、現在は「表参道ゴルフアカデミー」を主宰する。
構成=鈴木康介、写真=田中宏幸