安全で、経済性に優れた新しい原子力エネルギー

今回はHCVCが投資する3つの企業がプレゼンテーションを行った。

まずは、TRANSMUTEXという核エネルギー産業を扱う企業。同社は、核廃棄物をクリーンエネルギーと核燃料に変換するプラントを開発、建設し、保守、メンテナンスまでを行う。

TRANSMUTEX

https://www.transmutex.com/

当然のことながら、日本は原子力エネルギーの利用に対して批判的な意見の人が多いが、非原子力エネルギーだけで、今後国を支えられるのかどうかは、難しいところ。

地球温暖化を抑制しようとすると、化石燃料の使用を抑えなければならない。となると再生可能エネルギーが重要になるが原子力を選択肢に入れるか入れないかで、将来的な見通しは大きく変わる。

また、ご存じのように生成AIを動かそうとすると大量の電力が必要となる。原子力エネルギーを使えない日本は、生成AIの分野でも難しい舵取りを要求されることになる。

TRANSMUTEXの技術は、核分裂はもちろん核融合炉と比べても安全性に優れているという。長寿命放射性廃棄物質を出さず、短寿命、中寿命廃棄物のみを出すが、これらはすでに活用方法が存在する。

比較的小型のTransmutationの施設はすでに建設が始まっており、安全なプロセスであると確認されているという。

もちろん、いかに安全であっても、日本においては当分の間これらの新技術を導入した施設の建設は難しいと思うが、それは同時に日本が国際的競争力を維持するのが難しいということでもある。

(広告の後にも続きます)

シミュレーションも可能な人工衛星のOS

続いては、ANTARIS。宇宙開発に取り組むソフトウエア企業だ。

ANTARIS

https://www.antaris.space/

人工衛星のテクノロジーはこれからますます重要性を増すとともに身近なものになっている。従来は多くの企業がそれぞれ独自に人工衛星のソフトウエア面を開発していたが、今後は『人工衛星のOS』とでもいうようなものが必要になる。それを提供するのがANTARISである。

人工衛星を打ち上げる企業はANTARISを利用することで、時間を短縮し、コストを削減し、リスクを減らすこともできる。

ANTARISは、人工衛星を制御することもできるし、シミュレーターと接続し、実際に人工衛星を打ち上げた時と同様のテストをソフトウエア的に行うことができる。