【新日本】東京ドームの先に「僕じゃないと見せられない世界を」 デスペとのIWGPジュニアV5戦へDOUKIインタビュー

 1・4東京ドーム大会でDOUKIが本戦初出場を果たす。しかもIWGPジュニアヘビー級王者として前王者エル・デスペラードを迎え撃つV5戦。初戴冠から5ヵ月以上が経過し、新日ジュニア最強を自負するDOUKIに半年ぶりの再戦へ向けた思い、東京ドーム後の青写真などを聞いた。

【DOUKIインタビュー】

――7月にIWGPジュニアを巻いてから5ヵ月以上が経過して、新日ジュニアのトップになった実感は噛み締めていますか?

▼DOUKI「7月にベルトを獲って、最初の防衛戦まで2ヵ月ぐらいだったんで、ぶっちゃけ最初ベルト獲った時はチャンピオンだっていう実感はそんなになかったんですけどね。ここまでずっとタイトルマッチをやって、巡業を回ったりして、噛み締めてるというか、僕がチャンピオンなんだなって気持ちにはなりますよね」

――DOUKI選手にとってIWGPジュニアは大きな目標だったと思いますが、チャンピオンになったことで意識の変化はありましたか?

▼DOUKI「いっても僕は新日本でデビューしてる人間ではないので、高橋ヒロムみたいにこのベルトをずっと欲しくて欲しくてじゃないので、そこは難しいですね。もちろん新日本に参戦して、新日本のジュニアの選手としてやってる中で、ずっと目標ではあったので、ベルトを家に持って帰って『俺チャンピオンなんだな』、『ちゃんとしなきゃ』みたいなのは最初はあったかもしれないですけど、別にチャンピオンだからどういなきゃいけないっていうのはないなと思って。そしたら他の選手と変わらなくなっちゃうじゃないですか。日本でデビューしてない、メキシコの最底辺でデビューした人間だからこそ見せられるチャンピオン像があると思うんで、今はそんなに気にしてないですし、あまり変わらないですね」

――防衛戦を重ねていく中で石森選手、金丸選手といった超えなければいけない壁をチャンピオンとして超えたのは大きな自信につながりましたか?

▼DOUKI「もちろん自信という面ではずっとあったんですけど、そこは見る側じゃないですか? 見る側が石森太二に勝ったことがない、金丸にもシングルで勝ったことがない、という選手がいっぱいいる中で僕がチャンピオンになってるんで、『ただ1試合勝っただけじゃないか』と思う人はいたと思うんで、それをこの半年でずいぶん認めさせることができたんじゃないかなと思いますね」

――IWGPジュニア王者として東京ドームのリングに立つことになりましたが、どんな思いがありますか?

▼DOUKI「たぶん僕がどう思うとかよりも、見てる側がそう思ってるのかなと思いますね。それこそメキシコの最底辺でデビューした人間がチャンピオンとして東京ドームの舞台に立つ、タイトルマッチをするっていうのは、やっぱり僕じゃないと見せられないものだとは思いますし、いろんな人に勇気を与えるのかなと思いますよね。僕みたいに身長、体格もない、特に身体能力で秀でたものがない人間がチャンピオンとしてそこに立つというのは、いろんな人に勇気を与えることができるんじゃないかなとは思うんですけど。チャンピオンになって半年経って、僕はこの階級、ジュニアの顔なんですよ。そんなことに浸る気持ちはないですよね。それよりもジュニアヘビーの顔として言えるのは試合順に関してじゃないですかね。第6試合なんですよね。というのはジュニアの階級のチャンピオンとしては納得いかないですし。ジュニアが不遇とか言われてるのは今に始まったことじゃないんですけど、だからといってジュニアはこの位置でしょうがないか、みたいな気持ちには全くならないですね。ナメんなって気持ちがありますし、そこはチャンピオンとして一番、僕が言わなきゃいけないことなんじゃないかなと思いますね」

――となると試合順に対する反骨心がタイトルマッチでいい方向に作用するかもしれないですね?

▼DOUKI「この試合が発表されるまで、僕は当然もっともっと後ろで組まれてるものだと思ってました。それ前提で会見とかでコメント出してるんですけど、“世界を動かす2DAYS”って書いてある通り、世界に向けて新日本のジュニアはこれだけ凄いんだぞというのを見せる場だと思ってたんですけどね。その気持ちもあるんですけど、試合順が発表されてから、それと同じぐらいナメんなって気持ちがあるんで。一丸となってじゃないですけど、僕とデスペラードの試合でこの興行自体、全部ぶち壊してやろう。そういう気持ちではありますね」

――東京ドーム大会が終わった後、IWGPジュニアが一番凄かったという感想をたくさんのファンに抱かせるということですか?

▼DOUKI「それはもちろんそうですし、もともとそのつもりではあるんですけどね。ファンにもそうですし、一番は会社に対してですね。ファンの人が別に何を思ってもいいんですよ。何でこの試合が前だ、後ろだ、こいつなんか顔じゃねえとか、何を思ってもいいんですけど。会社としてですね。じゃあ何のためのタイトルなの? 何のためのベルトなの?ってなるじゃないですか。アイドル事業じゃないんで、人気があるとか、そういうので選んじゃいけないんですよ。実力がある証としてベルトがあるわけであって、それを会社側がないがしろにしちゃいけないと思うんですよね」

――デスペラード選手とはDOUKI選手が戴冠した7・5東京武道館での一戦以来の再戦になりますが、DOUKI選手がチャンピオンとしてデスペラード選手を迎え撃つという図式が前回との大きな違いになりますね。

▼DOUKI「おっしゃられたように同じカードなんですけど、前回とは全然違うと思うんですよ。前回はデスペラードがスーパージュニアに優勝して、なおかつジュニアのベルトを獲り返して、本当にジュニアの最強の象徴だったと思うんですね。前回の試合は僕がその壁を崩した、それだけの試合だったと思うんですよ。それだけっていうにはあまりにもデスペラードを倒すのは言葉ほど簡単なものじゃないですよ。凄く大変なんですけど、そういう試合だったと思うんですね。壁を崩したって試合でしたけど、今回は違いますよね。前回までは見てる側も、あんまりこういう表現は好きじゃないんですけど、エモいとかそういう気持ちをもって見てたと思うんですよ。というのは僕とデスペラードは今までいろいろありましたし、デスペラードの欠場があって僕が新日本に上がることになって、同じ鈴木軍でやってっていうのがあって。その関係もあってデスペラードから指名される形で前回挑戦して。見る側はそう見てる人がいっぱいいたと思うんですよ。試合前の煽りV映像とかもそんな感じで勝手に作られてたんで(苦笑) 僕はそんなつもりはその時からなかったんですけど、やっぱり見る側はそう見てたと思います。今回はそんなふうに見てる人はいないと思うんですよね。僕は僕でこの半年間、チャンピオンとしてしっかり防衛してきましたし、僕がジュニアのトップの人間なんで。そこにジュニアの最強の一人であるデスペラードが挑戦するという形なんで違いますよね」

――チャンピオン、チャレンジャーは違えどジュニアのトップ同士による対等の戦いという見方でいいですか?

▼DOUKI「違いますね。僕が上です。僕がチャンピオンなんで。こないだも何かのインタビューで聞かれたんですけど、僕がタイトル獲った時に『もう一度改めてあなたを超えたい』みたいな感じのことを言ってたっぽいんですよ。僕あまり覚えてなかったんですけど。『改めて俺の前に立ってほしい』っていうことを言ってたんですけど。というのはその時、僕は勝っても、なおチャレンジャーみたいな気持ちでいたんですよね。でも、こうやって半年間防衛してきて、巡業とかもチャンピオンとして回って、それでやっと僕はちゃんとチャンピオンになったと思うんですよ。チャンピオンとして思うのは、デスペラードを超えたいとか、そんな気持ちはないですよね。僕がチャンピオンなんで。僕がジュニアヘビーで一番強い人間なんで、そこにチャレンジするのはデスペラードであって、対等じゃないですよ。僕がチャンピオンなんで。なので最強同士の戦いじゃないです」

――メキシコ時代からの関係を考えると、その二人が東京ドームでIWGPジュニアを争うシチュエーションは劇的なものがありますね。

▼DOUKI「そうですね。見る側は何を思って見てもいいですし、今までいろいろあったのは事実なんで。ただ、僕もデスペラードもそんなふうには思ってないですよね。前回まではそうだったと思うんですけど。そのぐらいこの半年は僕にとっていろいろありましたからね」

――2025年のスタートからいきなり大勝負になりますが、2025年もチャンピオンとして新日ジュニアを引っ張っていくためにも何として突破したいヤマ場ですね。

▼DOUKI「ベルトを獲って、この半年間というのはDOUKIがチャンピオンなんだっていうのを周りに認めさせる期間だったと思うんですよ。石森しかり、金丸しかり、『あいつらに勝ってねえじゃねえか』、『あいつらの方が凄い選手だろ』って思われてるのを、どの試合もギリギリでしたけど超えていって、ファンだったり、会社だったりを認めさせる期間だったと思うんですよ。東京ドームの試合はこれがジュニアの試合だ、これが世界一のジュニアの戦いだっていうのを見せる試合。その先がようやく僕がやりたい世界を見せられるというか、僕じゃないと見せられない世界を見せていくのがその先だと思うんですよ。ずっと名前出してるんですけど、AEWのサミー・ゲバラだったり、今までメキシコ、アメリカでかかわってきたような選手だったり、新しくここ数年で一気に出てきてる藤田(晃生)だったり、そういう選手たちとやっていくのが、今までのチャンピオンじゃ見せられなかった世界だと思うんで。そこで1・4の先にようやく僕が作り上げる、僕だけが見せられるジュニアヘビーの世界があるのかなと思いますね」